A Study of the Hagiography of Shenrab Miwo and its relevant rituals.
Project/Area Number |
20K00077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
津曲 真一 大東文化大学, 文学部, 准教授 (20615033)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ポン教 / シェンラプ・ミボ / チベット / ネパール / 宗教学 / 儀礼 / 神観念 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、チベットの伝統宗教であるポン教の祖師シェンラプ・ミボの伝記を取り上げ、その校訂と翻訳を行い、更にポン教寺院でフィールド調査を通じて、同祖師伝に記される儀礼の実践の様子の撮影、また神々の図像の撮影・蒐集を行い、ポン教の信仰体系に於ける儀礼実践やパンテノンの構造について視覚化を行うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
【意義・目的・重要性】本研究の目的は、ポン教の祖師伝の研究を通してポン教の儀礼と神観念について明らかにし、更にフィールド調査を通じてその視覚化をおこなうことにある。今日、インド・ネパール・中国のチベット人(蔵族)居住地域ではチベット仏教の信仰が主流だが、彼らの社会ではポン教起源の神が信仰されていることも多い。そのためポン教研究は、チベット人の信仰体系や宗教文化の全容を解明するうえで極めて重要である。 研究の手順としては先ずポン教の祖師伝を取り上げ、ポン教学僧との共同作業を通じてその校訂・翻訳作業を行う。次にネパールのポン教寺院でフィールド調査を実施し、同祖師伝に記される儀礼が実際に行われている様子を撮影、更に神々の図像の撮影を行う。以上の作業を通じて、文献学的研究とフィールド研究の両面から、ポン教の儀礼と神観念の基本構造について明かにすることを目指す。 【2022年度実績】(1)シェンラプ・ミボ伝の一つ『光線(セルミク)』の訳注作業を行い、その一部を発表した(「『セルミク』第10章訳注」大東文化大学紀要 (61) pp.93-109 2023年3月)。また『光線(セルミク)』に記されるポン教の神々の名称について、他の文献(特に『集経』と『栄光』)に記される神名との比較作業を行い、その対照表を作成した。(2)2022年8月下旬と2023年2月下旬~3月上旬にネパールのポン教寺院に滞在し、(1)の作業を進める中で生じた疑問点についてポン教の学僧と対面で意見交換を行った。また『光線(セルミク)』に記される儀礼について、その儀礼がいつ、どのような手順で行われるのか、またどの経典に基づいて行われるのかということについてポン教僧たちから聞き取り調査をおこない、その執行方法や撮影方法について学僧たちと相談した。(3)ポン教僧に儀礼執行の準備を依頼し、一部の儀礼具についてはその撮影を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はポン教の祖師伝の文献学研究を進めるのと同時に、ネパールのポン教寺院でフィールド調査を行い、ポン教の祖師伝に記される儀礼が実際に行われる様子を観察・撮影し、また同文献に現れる神々の図像を可能な限り蒐集・撮影することで、ポン教徒の信仰世界を視覚化することを目的としている。従って本研究を執行するためには、ネパールのポン教寺院でのフィールド調査とポン教学僧の協力が必須であるが、研究年度の最初の2年間(2020年度・2021年度)はCovid-19の感染状況が収束せず、ネパールに渡航してフィールド調査を実施することができなかった。そのため「やや遅れている」と自己評価せざるを得ない。しかしながら、2022年度はネパールでのフィールド調査を行うことが可能となり、祖師伝の校訂作業、神名の抽出とそのリストの作成、および同書に記される儀礼の種類、及びその儀軌に関する記述の抽出作業を、ポン教僧の指導のもとで集中的におこなうことができた。また儀礼の実施とその撮影準備についても順調に準備が進んでおり、従来の研究計画通りに研究が進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今後も『光線(セルミク)』の訳註作業を継続する。また他の2つの文献(『集経』『栄光』)については、これらの文献に記される儀礼と神々のパンテノンに関する記述を抽出・整理する作業を進める。 (2)(1)の作業を進めつつ、ネパールのポン教寺院に依頼して今年度の8月下旬に『光線(セルミク)』に記される儀礼を執行してもらい、儀礼の様子を撮影・記録する。 (3)現時点では特に研究を変更する予定はない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)