『葉隠』の武士道における忠誠の再検討―「誠実」をめぐる日本倫理思想史学的研究
Project/Area Number |
20K00100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
栗原 剛 山口大学, 人文学部, 准教授 (50422358)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2020: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 葉隠 / 武士道 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近世日本の代表的な武士道書『葉隠』に説かれた、奉公人の主君に対する忠誠の内実を再検討することを通じ、近世日本における武士の倫理思想がもつ特質を、明らかにしようとするものである。さらに、他者に対する誠実さとは何か、というより普遍的な問いのもと、最終的には上記の特質を、近松門左衛門の人形浄瑠璃における心中立てや、儒学思想におけるより広汎な他者に対する誠実さなど、同時代の(また武士のみを担い手としない)様々な思想文化にも通じるものとして位置づけていくことを、目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
『葉隠』の武士道における「忠誠」の意義を、広く日本倫理思想史の中に位置づけるとともに、普遍的な倫理学的問題につながるものとして掘り下げるべく、「誠実とは何か」という問いのもとで考究する、という課題に引き続き取り組んだ。『葉隠』もその一側面を担うところの、近世武士の倫理について考察を進めるためには、これを、儒学の枠組みにおいて説かれた自他間の道徳としても、考える必要がある。本年度刊行された『山口県史』(通史編・近世)においては、萩藩の藩校(明倫館)で学頭をつとめた山縣周南が、同藩の武士たちに向けて儒学の意義を説いた著作、『為学初問』の思想内容を紹介する一節を分担執筆した。周南は荻生徂徠の高弟として知られており、その思想・学問は基本的に徂徠学を受け継いだものであるが、同時にそこには、伊藤仁斎からの独自な影響を垣間見ることも出来る。また『為学初問』には、戦国期までの武士の倫理と、同時代の儒学が求める道徳との差異および接点についても論及があり、本研究課題にとって示唆の大きい対象であることがわかった。以上のように、近世日本の倫理思想における「誠実」をめぐって、それを捉えるための視野を広げる仕事には一定の成果を得たが、『葉隠』の「忠誠」そのものに対する考究については、いまだ論文執筆の途中にあり、公的に発表されるまでには至っていない。大きな問題関心を共にする研究者との知見の交換を含め、当初予定していた計画や成果を達成すべく、研究期間の一年延長を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定されていた他の研究者と知見を交換するための出張や、それと連動した論文集の公刊といった企画が、コロナ禍の延引のせいもあっていまだ具体化には至らず、研究成果を発表する方法や時期を再考すべき状況にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究者との会合や、それと連動した論文集の公刊計画が進展・実現することを期するが、諸事情によりそれが研究期間内にかなわない場合には、他の媒体を通じ、自身の研究成果を論文として発表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)