Project/Area Number |
20K00175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
長佐古 美奈子 学習院大学, 付置研究所, 学芸員 (20537279)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 皇室 / 西欧化 / 昭憲皇太后 / 香川敬三 / 香川志保子 / 洋装 / 宮中晩餐会 / ボンボニエール / 料理 / 皇后 / 工芸 / 英国 |
Outline of Research at the Start |
近代皇室で皇后の側近であった香川敬三・志保子父娘史料目録(特に洋装等皇室工芸品関係部分)のデータベース化とWEB上での公開。その史料分析と現存する皇室関係工芸品(食器、ドレス、服飾品など)の双方向の調査から、現在までも継続している皇室の総合的「西欧化」の過程を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
明治維新後、西欧化を余儀なくされた皇室では、明治6年(1873)に天皇が洋装化し、饗応のために西洋料理を取り入れ、洋装、舞踏、洋楽、ふるまいなどが国際的な接遇のレベルに達したことを示す場としての宮中晩餐会を成立させてきた。宮中晩餐会に集約される皇室の近代化の様式は、皇族・華族等の皇室周辺に伝播し、それが市民階級へ影響を及ぼし、明治以降の西洋文化を受容した日本独自の文化構築に繋がったと考えられる。しかし、この皇室の西欧化推進のために、物質や文化を実際に導入した経緯などは不明である。本課題では皇室の西欧化の一翼を担うキーパーソンとして香川敬三・志保子父娘に着目し、香川家史料を中心として研究を進めている。 香川家史料2万4000点余点は2018年に学習院大学に収蔵された。学習院大学では令和6年度に史料館施設を充実させて、「霞会館記念学習院ミュージアム」としてオープンする。その際に香川家史料も全点史学科より移管する予定となっている。そのため2023年度は香川家史料全点の確認と中性紙封筒・中性紙箱への入れ替えを行った。この作業には皇學館大學上野秀治名誉教授、同大学文学部国史学科谷口裕信教授・長谷川怜准教授、学習院大学文学部史学科千葉功教授、茨城県立歴史館主任研究員石井裕の各研究協力者と、学習院大学史料館のスタッフ、皇學館・学習院両大学の学生達が共同して作業にあたった。 また、2023年9月に香川雅隆氏より新たに香川敬三史料15点の寄贈を受けた。 研究課題に対する成果として研究代表者・研究協力者が合計5本の成果論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、香川家史料全点の確認と中性紙封筒・中性紙箱への入れ替えを行った。また史料2万4000点のデジタルデータベース化を目指し、手書きリストの入力作業をすすめ、全点の入力は終了した。今後は史料原本と突合せ、データベースとしての精度を上げて行きたい。 2023年度に新たに収蔵した香川雅隆氏寄贈の香川家史料を含めた内容調査・研究について研究会を開催した。研究会では茨城県立歴史館の石井裕研究員、学習院大学史料館梅田優歩PD共同研究員と共に、皇后・皇太子妃・皇族妃の洋装化への香川志保子の関与について調査した。 また2023年度には明治期に香川志保子が洋装についてアドバイスをしたことが史料より確認出来る旧宮家北白川家より、北白川宮能久親王妃富子関係のドレスなどの染織品の寄贈を受けた。その他同じく旧宮家である竹田家、朝香家所蔵のボンボニエールについて全点調査した。また旧門跡寺院であり男爵家でもある三重県の専修寺常盤井家収蔵品の調査も行った。 研究の成果は論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には史料館は霞会館記念学習院ミュージアムとなり、史料を移管するが、香川家史料の一部は中性紙封筒への入れ替えが出来ていない部分がある。 また、明治天皇の内親王が降嫁した4宮家のうち、東久邇家のみボンボニエールの調査が未着手である。こういったことを鑑み、当初2023年度で終了する計画であった本課題は2024年度まで継続することとなった。 2025年3月からの霞会館記念学習院ミュージアム開館記念特別展においてへの移管を終了した香川家史料、北白川宮家史料・ボンボニエール・ドレスなどを研究成果と共に公開する予定である。 なお、当初予定していた香川家史料目録のデータベース公開は現史料との全点突合せ確認作業をし、精度を上げてから公開することとなった。
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