Project/Area Number |
20K00182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Tsuda University (2021-2023) Osaka University of Economics and Law (2020) |
Principal Investigator |
金 貴粉 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員 (20648711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 朝鮮書芸 / 近代書道 / 植民地朝鮮 / 美術 / 近代朝鮮史 / 書画 / 韓国美術 / 朝鮮文化史 / 日本書道史 / 朝鮮開化派 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、近代朝鮮の「書」が創出した新たな価値の解明を大きな目的とし、その解明に向けて①官僚出身書家たちの作品と書に関する活動の具体相、②官僚出身の書家たちの書芸観・価値観、③近代東アジアの「書」の展開における位置・独自の価値、といった諸点を明らかにすることを目的とする。 具体的には「書画協会」発起人13名を中心とした書画家について悉皆的な資料・作品調査を行い、具体的分析を行う。また、同時期の中国人書家(呉昌碩、羅振玉)に関する活動をふまえ朝鮮人への「書」活動における影響、並びに日本人書家(比田井天来)や知識人(長尾雨山、須永元)との相互における影響について明らかにし、本研究目的を達成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2023年度)は、国内外の諸機関において、近代朝鮮の書画作品調査を行うことができた。 特に、韓国の国立中央博物館では本研究テーマに深く関連する呉世昌に関する特集展覧会において直接作品を実見し、調査を進めることができた。さらに、九州国立博物館、福岡市美術館においても、朝鮮半島における書画展覧会が開催され、近代書画関連資料の調査を行った。 韓国では呉世昌研究者と研究交流を通して、本研究に対する指摘と助言をいただくことができた。また、朝鮮近代の書芸家と同時代に活躍した中国の書人たちについて、専門家から類似点等についての重要な指摘を受けることができた。 本年度では、朝鮮人書芸家による書研究が同時期の日本人研究者にどのような影響を与えたのかという点について考察するにあたり、日本人書家の工藤文哉を中心にその実態を明らかにした。その成果を第65回全国大学書道学会(於跡見学園女子大学)で「工藤文哉による「朝鮮書道史」研究とその意義」と題し、研究発表を行った。工藤文哉は1930年から配本が開始された『書道全集』24巻に「朝鮮書道史」を著している。工藤は当時、朝鮮総督府官僚兼書家として活動していた。工藤は、官僚としての職務の合間をぬい、1919年に『心無けい礙楼鶏林書存』という朝鮮書跡集の刊行も行い、日本人による朝鮮書道研究の嚆矢となった。本調査の結果、そこには呉世昌による助言や協力があったことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初予定していた資料・作品調査を予定通り進めることができた。また、学会発表において研究成果報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は最終年度のまとめとして、これまで調査を行った内容を精査し、分析・検討を加えていく予定である。朝鮮書芸家らが日本人書家に対して与えた影響について明らかにすることができたので、2024年度は、明らかになった事象を総合的に検討し、結論をまとめ、社会還元していくことを目指す。
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