Project/Area Number |
20K00196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
草原 真知子 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (40271366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本の近代化と視覚文化 / メディア考古学 / 着物デザイン / 映画史 / 友禅 / パノラマ / 視覚文化史 / デザイン / 衣装 / 日本文化 / 大衆文化 / 着物 / ファッション / マスメディア / プロパガンダ / エンターテイメント / ジェンダー / メディアスタディーズ / テキスタイルデザイン / 日本の近代化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、明治期から第二次大戦初期にかけての日本の急速な近代化のプロセスの中で生まれた音響・映像・通信・出版などの情報メディアをモチーフとした大量の着物柄をアーカイヴ化し、分析する。これらのメディアがどのように大衆に受容され、イメージされたかを着物柄の意匠の分析を通じて読み解き、同時に、当時の日本人にとって映写機、蓄音機、ラジオ、映画スターの写真や人気小説の表紙等を着物柄として身につけることがどのような意味を持ったのか考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は所蔵する資料(着物地)の整理を行い、また、京都において友禅染め関連の展示や資料を調査した。資料の中でも特に写真や映画などの映像に関連した着物地を中心にその文化的背景と友禅染の技術史との関係について研究し、その成果を以下のように発表した。 8月末に刊行されたデジタルハリウッド大學大学院紀要に研究ノートとして[「面白柄」着物デザインのメディア考古学的考察]を投稿。写真と映画を扱った着物地を中心に現在までの研究成果の一部をまとめた。 9月に開催されたInternational Panorama Councilの年次大会にオンライン参加し、明治期の近代化とパノラマ的視覚について"The Panorama as a Cultural Icon in Late 19th Century Japan"のタイトルで論文を発表。1900年パリ万国博のパノラマ館のガイドブックや西欧の風景を描いたパノラマ画が着物地にデザインされたり都市の俯瞰図が着物柄として使われることの意味について論じ、好評を得た。 一般社団法人京都映画芸術文化研究所(おもちゃ映画ミュージアム)が2023年3月に刊行したTOYFILM MUSEUM 8号に「着物柄に見る幻燈・映画・映写機」を執筆(1-24ページ)。幻燈、映画、映写機をデザインに取り入れた着物柄の文化的・技術的背景を分析し、1930年前後、すなわち映画が無声映画からトーキーに変わりつつある時代の京都が映画製作と染織業の両面で当時の日本の中心であったことと着物柄との関係を論じた。 同ミュージアムが2023年3月開催した講演会「マジック・ランタン ー さまざまな幻灯の楽しみ」において、上記のテーマについて講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年間にわたって新型コロナの影響で関連施設の見学や関係者からの聞き取り調査が行えなかったことが影響している。国際会議も当初は物理的な参加を考えていたが、やはり海外渡航がまだ安心とは言えない状況であったためオンライン参加にしたので、期待していたような意見交換ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から研究と並行して発表のフェーズに入っており、今年度もそれを続行する。6月に都内で開催される日本映像学会、9月にヴェネチアで開催される国際会議Media Art Historyでそれぞれ発表を行う。東京都写真美術館で夏期に開催される展示のカタログに論考を執筆中で、また来年刊行予定のRoutledge のメディア考古学特集(単行本)にこのテーマ(メディアとしての着物柄)で論文を依頼されており、本年後半はその執筆に相当な時間を割くことが予想される。 研究については、昨年度のテーマであった映画・俳優・映画主題歌・原作小説・アニメーションキャラクターについての資料調査と分析をさらに深めると同時に、ラジオ、音楽、スポーツなどについて資料を整理し、議論を組み立てる。全体的なテーマとしては、今までに研究してきたパノラマや覗き眼鏡などと着物柄の関係を近代化とトランスメディアという2つの要素で関係づける理論的な研究を行う。
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