Project/Area Number |
20K00218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
田中 みわ子 東日本国際大学, 健康福祉学部, 教授 (10581093)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 美学 / 身体観 / 障害 / 障害学 / ディスアビリティ・アート / 身体 / 障害の美学 / マテリアリティ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、障害学の視点から、障害者の芸術実践における「美学」がもたらす身体観の変容およびその社会的効果について調査研究を行うものである。1970年代以降、欧米を中心として国際的に展開される障害者アートの実践の潮流に焦点を当てることにより、障害の「美学」のありようと、それが提示する身体観の変容を分析する。そしてそこにみられる文化的差異を描き出すことにより、その社会的影響および効果を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害者の芸術実践における「美学」がもたらす身体観の変容およびその社会的効果について調査研究を行うものである。当初の研究計画を一部変更し、実地調査に代替する文献調査を軸として研究を進めてきた。 本年度はこれまでの研究成果をまとめつつ、障害者アートの実践関係者と意見交換を行うことにより、より多角的な視点から考察を試みた。神奈川県障がい者芸術文化活動支援センターによる「和5年度障がい者福祉と芸術文化の関わりを考える勉強会」では、講師として「一人ひとりから障がいを考える」と題した口頭発表を行った。この発表は、イギリスおよびアメリカのディスアビリティ・アートの潮流に焦点を当てたものであり、オンライン配信の形で公開された(12月)。その際、日本における障害者の芸術実践に取り組む現場関係者との意見交換により、障害者の芸術表現における「美学」がどのように受け止められ、身体観の変容に結びついているのか、またそこにはどのような文化的差異がみられるのかという観点から研究上の示唆を得ることができた。さらに、障害者に対する芸術文化政策を推進する日本の制度的な取り組みを背景として、障害者の芸術実践が多様化している実態があり、そこにどのような「美学」がみられるのかを再検証していく必要があることも本研究の新たな課題となった。 障害学会第20回大会(9月)およびアートミーツケア学会(3月)、たんぽぽの家(奈良県)において開催された「福祉をかえる「アート化」セミナー2024」に参加し、日本における障害学の動向や障害者アートの実践について現状を把握することに努め、専門的知識の提供が得られたことは本年度の大きな成果である。これらの成果を踏まえ、芸術表現を通じた身体観の変容と、その文化的異同についてまとめることが急務となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請期間を延長し研究計画を一部変更したことにより、遅れていた進捗を取り戻しつつある。実地調査に基づく最新の情報や事象についての知見が得られていないことや、障害の「美学」に関する理論研究がさらに必要となっているとの認識から、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長により遅れを取り戻す予定である。本来の目的を達成すべく可能であれば実地調査を実施することも視野に入れつつ、研究成果のまとめに専念する。昨今の障害者アートを取り巻く社会情勢および障害学における理論的展開の把握に努めることにより、これまでの分析および考察の妥当性と意義を検証するとともに、一定の結論を導き出す予定である。
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