有機化合物による油彩画技法の成立と展開-混合技法「樹脂バインダー+油絵具」の検証
Project/Area Number |
20K00227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仏山 輝美 筑波大学, 芸術系, 教授 (70315274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桶田 洋明 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (30336317)
加藤 隆之 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70572056)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 有機化合物 / 合成樹脂 / 油絵具 / 油絵具と合成樹脂絵具の併用 / アクリル樹脂絵具 / アルキド樹脂絵具 / 水性アルキド樹脂絵具 / 樹脂バインダー / 水可溶性絵具 / 混合技法 / 併用技法 / アクリル合成樹脂 / アルキド樹脂 / バインダー / 油彩画 / アクリル樹脂 |
Outline of Research at the Start |
油彩画は、乾性油等をバインダー(糊、展色剤)とする伝統的な表現媒体である。技法材料の物理的な性質によって表現内容の方向性は誘導されるが、油絵具に備わるポテンシャルもまた私たちの表現を呪縛する。本研究の主たる目的は、有機化合物である顔料やバインダーと油絵具との併用・混合によって、現代の東洋に生きる私たちの油彩画表現を更新する手立てを検証し展開することである。 天然樹脂(ダンマル樹脂)や人工樹脂(アクリル樹脂、アルキド樹脂)を用いた絵具やメディウムによる絵画技法研究、ならびに有機化合物と油絵具との併用・混合技法に関する技法材料実験、制作実践、先行作例の分析に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
■最終年度の概要と成果:油彩画制作における合成樹脂の有用性を見出すべく、アルキド樹脂ならびにアクリル樹脂を混合・併用した油彩画制作①②③④に取り組んだ。 ①アルキド樹脂メディウムを用いた油彩画制作:油絵具にアルキド樹脂メディウムを添加し、主に乾燥速度と絵具の表情・状態に着目しつつ描画上の使用感と効果を観察した。②水性アルキド樹脂絵具と油絵具の併用:描画工程の大部分を水性アルキド樹脂絵具で描き、同素材の性質を確認するとともに、絵具の発色やテクスチャの必要性に応じて油絵具を使用し両絵具の特性を活かした併用技法を探求した。水性絵具を活用した油性素材技法の意義と効果を確認することができた。③アクリル絵具と油絵具の素材比較、ならびに両絵具の併用による作品制作実践:アクリル樹脂絵具の速乾性や被膜の強さを生かしたインパストと、油絵具の低い速乾性を利用した表現を取り入れることで、制作の簡便性が向上するとともに幅広い表現の獲得につながることを確認した。④水性アルキド樹脂絵具「白」を用いた混合技法(水性アルキド樹脂絵具+油絵具):アルキド樹脂絵具「白色」(アキーラのアルキドメディウムグロスによる手練りの白色)を用いた混合技法について、同「白色」の処方を探求するとともに、大作作品における同混合技法の活用を模索した。 ■研究期間全体の成果:現代特有の素材である合成樹脂とそれをバインダーとする絵具の性質やメカニズムを作品実見・制作実践を通してより深く理解し、油絵具との併用における具体的な処方と多様な技法を提案することができた。また、水性と油性の混合・併用による絵画表現の可能性と課題に着目する次の課題を見出したことは大きな収穫であった。さらに合成樹脂の活用による絵画制作実践について海外の作家も交えて相互に情報を交換し共有したこと(報告書の作成)を基盤に本研究を展開する体制を拡大することができた。
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Report
(4 results)
Research Products
(1 results)