Project/Area Number |
20K00230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岸本 吉弘 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90267344)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | アメリカ抽象表現主義 / 抽象絵画 / オールオーヴァー絵画 / ジャクソン・ポロック / 再現制作 |
Outline of Research at the Start |
アメリカ抽象表現主義の旗手であるジャクソン・ポロック、本研究は3年間に渡り、彼の円熟期のオールオーヴァー絵画以前の萌芽期・形成期の作品を対象とする。なかでも1940年前半の代表作品「壁画」に着眼し、通史的・美学的な解釈に留まらず、技法・材料的な視点による分析を加え。その上で完成度の高い「再現制作」を試みることで制作プロセスを再現(追体験)することが大きな特徴である。そして実制作者ならではの視点を交えて更に作品性を洞察・解析するものである。これらはアメリカ抽象表現主義において核を成すオールオーヴァー表現の内実に一層肉迫し、オールオーヴァー絵画の成立過程を解明することに繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ抽象表現主義の旗手であるジャクソン・ポロック、本研究は3年間に渡り、彼の円熟期のオールオーヴァー絵画以前の萌芽期・形成期の作品を対象とする。なかでも1940年前半の代表作品「壁画」(アイオワ大学付属美術館収蔵)に着眼し、通史的・美学的な解釈に留まらず、技法・材料的な視点による分析を加え。その上で完成度の高い「再現制作」を試みることで制作プロセスを再現(追体験)することが大きな特徴である。そして実制作者ならではの視点を交えて更に作品性を洞察・解析するものである。これらはアメリカ抽象表現主義において核を成すオールオーヴァー表現の内実に一層肉迫し、オールオーヴァー絵画の成立過程を解明することに繋がる。 本年度においては、2024年2月のアイオワ大学付属美術館における「壁画」実作品への現地調査(作品分析)を実施した。これは本研究の本題にもなり、極めて入念かつ多角的に作品解析を行った。結果、これまでの図版解析レベルでは到達できないであろう幾つもの考察や課題を得たのも実際である。現在は「再現制作」(実物大スケール、同素材による)に取り組み佳境に入りつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定でもあった2度のアメリカ現地での作品調査(渡航)が、残念ながら国際的なパンデミックの影響があり(3年間程度に渡り困難であった)実現がされていない状況にあった。只、その間も日本国内において、作品理解を推進すべく出来る限りの作品解析を入念に進めてきた(副次的な2次資料の解析が中心)次第である。そして、ようやく渡航基準も緩和されてきた昨今において、2022年度にニューヨークでの調査、2023年度にアイオワ、シカゴでの調査が実現した。なかでも2024年2月のアイオワ大学付属美術館における「壁画」実作品への現地調査(作品分析)は本研究の本題にもなり、極めて入念に実施した。結果、これまでの図版解析レベルでは到達できないであろう幾つもの考察や課題を得たのも実際である。現在は「再現制作」(実物大スケール、同素材による)に取り組み佳境に入りつつあり、2024年度夏頃の完成を予定している。その上で得た知見をもとに学会(研究会)発表(2024年12月)や最終の論文投稿(2024年度内)を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は主に2度のアメリカ現地における調査(資料収集・分析)と、その帰国後の「再現制作」実施で主に構成される。最終年度(2024年度)は「再現制作」の最終仕上げ(夏頃の完成)まで運び、かつそこから発見し得た内実を制作手順や技法、(描画における身体的反映など)を考慮した上でまとめ、学会発表(研究会)と論文執筆(報告等)をもって最終的な総括とする。なかでもこれまで2度のアメリカ現地調査によるオールオーヴァー絵画萌芽期の同時期作品・類似作品等の閲覧・資料収集及び分析などの予備研究・制作で得た知見をも効果的に活用される方向である。
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