Project/Area Number |
20K00249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Kyoto University of the Arts (2023) Waseda University (2020-2022) |
Principal Investigator |
葛西 周 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (00584161)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 観光神楽 / 異性装 / 芸妓文化 / モビリティ / ホログラムライブ / 大衆演劇 / 旅芝居 / オーディエンス論 / 観光 / 聴取論 / ハワイアン / 少女歌劇 / 音楽ツーリズム / 聴取空間 / レビュー / 地域イメージ / 温泉 |
Outline of Research at the Start |
本研究のねらいは、音楽の担い手の接触領域として観光地を捉え、特に温泉地での音楽体験を再検討することである。音楽学と観光学の双方に関する国内外の研究動向を整理した上で、フィールドワークと資料調査を並行し、(1)各地域での上演内容・上演形態(2)演奏の担い手と聴取層(3)地域的特色と上演内容との関連性(4)温泉地以外での音楽体験との相違点(5)演奏・聴取の場としての温泉地の歴史的変遷の五点を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は山口県湯田温泉にある西の雅常盤にて女将劇場のショーを見学し、演出・構成・主演を手掛ける大女将の宮川高美氏をインフォーマントとして聞き取り調査をおこなった。宮川氏のライフストーリーおよび提供資料と研究代表者によるフィールドノートをつうじて、女将劇場のレパートリーとそれぞれの演目が生まれた背景を確認した。また、実際のショーの様子と聞き取りから、宮川氏の幼少期以降の音楽経験を把握し、各演目での楽器の扱いや選曲のコンテクストを調査した。さらに、宮川氏が温泉地の舞台の特色や目的をどのように捉えて女将劇場のショーをデザインしてきたかを明らかにし、前年度までに聞き取り調査をした他の温泉地のパフォーマーたちとの共通点・相違点等について包括的に議論すべく準備を進めた。 並行して大衆演劇・少女歌劇をはじめとしたレビュー形式での観光地の舞台上演に関する実地調査も継続し、当該年度は箕面温泉スパーガーデン箕面劇場、歌劇ザ・レビューHTB、劇団あんみつ姫などを対象とした。 前年度に「モビリティとライブ性」というサブテーマからホログラムライブを調査した一環で、ロイヤルメルボルン工科大学のシェリー・ブラント准教授とバーチャルパフォーマーについて複数の共同発表をおこなった。その成果の一部として、AI美空ひばりを題材とした共著論文"Misora Hibari in Kohaku Utagassen: From Modernity to Immortality"を執筆し、Johnson, Henry (ed.) Handbook of Japanese music in the Modern Era(Brill, 2023)に寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
石川県和倉温泉にて雪月花歌劇団に代わり加賀屋レプラカン歌劇団のレビューショーが開催になったため、公演内容の調査と分析用の記録映像の撮影、出演者からの聞き取り調査の計画を進めていたが、調査開始予定日の前週に発生した能登半島地震により中止せざるを得ない状況になった。また、研究代表者の所属機関および職務の変更により、業務時間中の研究活動が認められなくなり、長期休暇がなく土日の勤務が増えたことで、研究時間の確保や公演・イベントに合わせた出張が困難になった。しかしこれまでの調査に基づいて、当該年度には国際学会1件・国内招聘講演1件・国内学会1件の口頭発表と分担執筆3件の成果発信をおこない、定期的なアウトプットの機会を維持するよう努めた。ツーリズムと芸能への関心を共有する隣接領域の研究者とのネットワーク形成も順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度が本研究課題の最終年度にあたるため、福島県いわき湯本温泉のポリネシアン・レビュー等、未達成のフィールドワークを実施する。これまでの研究成果の一部として、温泉地の少女歌劇とポリネシアン・レビューをつうじて観光地の芸能の場所性について考察した論考が、2024年6月刊行予定の論集に掲載される。また、年内には寄稿を予定している。他の共同研究グループと連携した観光地の芸能や大衆演劇に関するイベントの企画も検討している。加えて、本研究課題の成果還元のひとつとして、「日本におけるパフォーマンス」をテーマとした英語による入門書にも寄稿する予定である。
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