上方舞吉村流の粋の伝承芸~人間国宝四世「吉村雄輝」と六世「輝章」の舞の同調性分析
Project/Area Number |
20K00254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
矢島 ますみ 明海大学, 経済学部, 教授 (80220135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 利之 阪南大学, 経営情報学部, 教授 (70320041)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 上方舞 / 吉村流 / 芸風 / 作品映像 / 動作分析 / 地唄舞 / 伝承芸 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、上方舞の“吉村流の流派を象徴する芸風”を映像分析から検証する試みである。吉村流は、上方舞四大流派であり、現在の家元六世「吉村輝章(1947年~)」氏は、人間国宝であった四世「吉村雄輝(1923年2月2日~1998年1月29日)」氏の内弟子で技芸の研鑽に励み、「舞の一挙手一投足、呼吸や目線に至るまで厳格に伝承が守られている」という。本研究の目的は、四世と六世、家元2名映像を資料として、映像分析ソフトの機能を利用し、歌詞に対する動作と動作軌跡等の視点から共通性・類似性等を明らかにすることによって、流派としてこだわる吉村流が伝える伝承の芸(運動の特徴)を客観的に明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、上方舞の“吉村流の芸風(舞の特徴)”を、過去に収録された作品の映像を用い,ダートフィッシュ社の運動分析ソフトウェアを利用することによって、吉村流が引き継ぐ芸風のエッセンスを客観的に浮き彫りにし、古典芸能の芸の伝承という点から有益な情報を保存することを目的とする4年間の研究である。本年度は3年目である。映像資料は、吉村流四世 吉村雄輝(人間国宝 1923年2月2日 - 1998年1月29日)、六世 吉村輝章(現家元 1947年 - )に加えて、五世吉村雄輝夫(1932年 6月30日 - 2000年 5月3日)を加えたの舞台映像である。 本年は、家元3人の映像が揃う作品「世界」から、1)歌詞「誰も廓の里ことば」と歌詞「解けてひらきし、さらばかき」の扇面の動き、2)歌詞「椋鳥か」の首の動きの範囲の差異、3)歌詞「出口にあらぬ打ち込みに」「もつれもつれし口説さえ」の演技時の手首の動き、4)作品「雪」における歌詞「凍る衾に鳴く音もさぞな さなきだに」の傘の動きを、ソフトウェアのストローモーション機能、および編集モジュールを利用し動きの可視化を行った。 1)扇動作の軌跡の違いをみると、四世、六世に比して、五世の扇面の角度が比較的鋭角に、かつ体に近い位置でコンパクトに動かしていた。 2)首の動きでも、四世、六世が左右の振れ幅が多いのに比して、五世の移動は少なくコンパクトであった。3)手首の動きでも、四世および六世が顔を中心に大きく円を描くように上下左右に動かしていることに比して、五世は顔から胸のあたりを中心にコンパクトな動きが見て取れた。4)「雪」の傘の動きでは、四世は大きく円を書くように、六世は比較的四世に似た運動、五世は、円運動ではあるが、やはり四世に比べてコンパクトであった。 研究の課題として、運動のトレースに多くの時間が必要であり、既存映像の分析の難しさに直面している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年に引き続き、ベースになる映像資料が古い映像であるため、画像の劣化はもとより、分析対象とする作品の部分抽出に関して、家元四世、五世、六世の映像作品にカメラアングルや、解像度の点で、共通な映像部分を探し出すことにかなり手間取った。また、分析ソフトに合わせた映像アングルや、ポインターがついていないため、対象部位の動き(形)をすべて手作業でトレースする必要があり(1秒間に約7トレース。30秒の映像とすると210トレース)、思った以上に多くの時間を要した。また、トレース技術についても、舞踊の動きをある程度理解していないと正確なトレースが難しい部分があり、加えて、コロナ禍も影響して、学生アルバイトの協力によってスムーズに作業をすすめることが困難であった。よって、研究の進度がやや遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の方法として、当初は動き部分をトレースした後、データ解析をおこなう予定にしていたが、前処理の手作業でのトレースには時間が掛りすぎることが明らかになった。そのため改善策として、部分部分を手作業でトレースをする分析手法と並行して、動画像データそのものを時系列データとして解析する方法を検討する。 この1例として、OpenCV による動画像解析、特に物体トラッキングの適用可能性について実装および実験をおこないたい。 この方法が確立できれば、飛躍的に動きの違い、あるいは同時性が抽出できると予想している。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)