興味関心を喚起するくずし字や和本を用いた新しい古典教材の開発に関する実践的研究
Project/Area Number |
20K00326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山田 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (60191300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 弓枝 鶴見大学, 文学部, 教授 (10413783)
三宅 宏幸 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (90636086)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 国語科教育 / 古典教育 / 古典教材 / 和本 / くずし字 / 歴史的典籍 / 出版 / 和本バンク / 新指導要領 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、(1)子どもたちの興味関心を喚起し、それを継続させることの可能な新しい古典教材にはどのようなものがあり、いかなる実践が考えられるか、(2)学習者の知識を活用し、かつ知的好奇心を刺激でき、授業内で完結せず生涯学習にも繋がる古典教育とは何か、(3)さらには、古典を自らのみならず、世界や未来へと繋げられるような、いわば文化継承者を育てる教育とは何か、といった問いを明らかにするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新指導要領の動向も考慮しつつ、子どもたちの古典への興味関心を喚起し、それを継続させることができる、国語教育の現場に則した古典教育を実践的に構築しその取り組みを広めることを目的とする。 2022年5月には、国立国会図書館WEBマガジン「カレントアウェアネス-E」に、センターが昨年度開始した和本無償貸出プロジェクト「和本バンク」に関して寄稿した。また、例年通り「古典教材の未来を切り拓く!」研究会(通称「コテキリの会」)を、9月と3月に行った。9月は第5回コテキリの会「くずし字教材はじめの一歩」を開催し、第1部はケンブリッジ大学のラウラ・モレッティによる基調講演、第2部は基礎セミナー「超入門!和本・くずし字のトリセツ」、第3部は意見交換会「一緒に作ろうモジュール教材」を行った。 そして、これまでの研究成果を『未来を切り拓く古典教材―和本・くずし字でこんな授業ができる』(文学通信、2023年3月)として一書にまとめた。本書刊行に合わせ2023年3月には第3回研究集会(第6回コテキリの会)「来て、見て、さわって―和本・くずし字教材体験!」をハイブリッド形式で開催した。第1部は飯倉洋一(大阪大学名誉教授)・佐々木孝浩(慶應義塾大学斯道文庫)・仲島ひとみ(国際基督教大学高等学校)・平野多恵(成蹊大学)・山田和人(同志社大学)による座談会「未来を切り拓く古典教材―和本・くずし字でこんな授業ができる」、第2部は和本バンクの古典籍を用いた教材開発のワークショップ「和本deインスピレーション」を行った。 なお、3月には研究協力者の加藤直志が所属する名古屋大学教育学部附属中学校の協力を得て、研究分担者である加藤・三宅が新刊書と和本バンクを活用した特別授業を対面で実施し、昨年度の特別授業の実践報告書を同校紀要に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年2回開催しているコテキリの会には、昨年度を超える参加申込があった。第5回コテキリの会には180名以上、第3回研究集会(第6回コテキリの会)には200名以上の申込みがあり、いずれも募集定員数を超えた。また、参加者は中等教育の教員のみならず、研究者・大学生・大学院生・出版社・図書館員など、所属分野は多岐にわたり、古典教育に関わる方々に我々の取り組みが広がっている実感を得た。。 また、2022年度の特筆すべき実績としては、同志社大学古典教材開発研究センター・山田和人・加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸編『未来を切り拓く古典教材―和本・くずし字でこんな授業ができる』(文学通信、2023年3月)の刊行が挙げられる。本書の前半には「古典への誘い方」「和本への誘い方」「くずし字への誘い方」という章立てで、古典教育を再構築するための意欲的な実践や基礎知識を収録した。後半には誰もがプリントして利用できる解答・解説付きのくずし字教材も掲載した。いずれもこれまでの研究会の講演とパネルディスカッションなどでの発表がもとになっており、これまでの研究成果報告書も兼ねている。さらに本書全文をオープンアクセス化しており、誰もが自由に活用できる書籍とした。 また、2021年度から試行的に開始した教育現場への和本無償貸出プロジェクト「和本バンク」への申込み件数も増えつつあり、手応えを感じている。しかしながら、新型コロナウィルス感染防止の観点から、研究会は基本的にはオンライン開催となり、対面開催は1回のみとなったことから、教材掲載のためのプラットフォーム構築に関して、現場教員との意見交換を十分に行うことができなかった。よって上記の進捗と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は3カ年での研究計画を立てていたが、上記の通り、教材プラットフォーム構築が遅れていることから、1年研究を延長することとした。 2023年度も従来通り、年2回の研究会・研究集会を開催する。9月と3月に2023年3月に刊行した『未来を切り拓く古典教材―和本・くずし字でこんな授業ができる』(文学通信、2023年3月)の合評会的要素を含んだ研究会や、教材プラットフォーム構築のための意見交換を行う研究会を開催する予定である。 また、新しい教材の開発・実践も名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校の協力を得て継続する。古典の意義を理解し、それを未来や世界へ繋げられる若い文化継承者を育成することも本科研のひとつの目標である。よって、過去2年実施した新しい古典教材開発に関する同志社大学プロジェクト科目の試みに関しても、別の方法で同様の取り組みができないか検討をする。 さらに、本科研の課題と考えられる、「教材プラットフォーム(web版)の構築と運営」については、2023年度中にある程度の目途をつける予定である。教材プラットフォームには、少なくとも今後10年は活用可能な方法での構築を模索する。
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Report
(3 results)
Research Products
(62 results)
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[Journal Article] 翻刻『潤色江戸紫』(下)2020
Author(s)
山田和人, 芦野陽子, 浦野洋紀, 太田楓実, 釜丸祥, 小林芙美, 酒瀬川なおみ, 柴田紘孝, 中村梨恵子, 西有幸, 日當真心, 布施あかり, 水田千尋, 横山知尋, 吉村仁志
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Journal Title
同志社国文学
Volume: 93
Pages: 61-96
Related Report
Open Access
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