Project/Area Number |
20K00362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02020:Chinese literature-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 中国 / 明末 / 艶文学 / 詩文 / 俗文学 |
Outline of Research at the Start |
中国の明末は、何らかの形で女性にまつわる文学、「艶文学」が盛んに行われた時代であった。従来の研究では、『金瓶梅』、馮夢龍の「三言」、李漁の『十二楼』などの白話小説、秦淮寓客『緑窓女史』、王世貞の編とされる『艶異編』、馮夢龍の『情史類略』などの文言小説、湯顕祖の『牡丹亭還魂記』などの戯曲、詩文については、王彦泓のような艶詩人、『青楼韻語』『唐詩艶逸品』などの女性詩集、『呉騒合編』『太霞新奏』などの散曲集、馮夢龍の『掛枝児』『山歌』など男女の恋情を主題とした俗曲集、民間歌謡集などがジャンルごとにばらばらに行われてきたが、本研究ではこれらを総合的に扱い、中国明末文学の深層に迫りたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
中国の明末は、何らかの形で女性にまつわる文学、「艶文学」が盛んに行われた時代であった。従来の研究では、『金瓶梅』、馮夢龍の「三言」などの白話小説、王世貞の編とされる『艶異編』、馮夢龍の『情史類略』などの文言小説、湯顕祖の『牡丹亭還魂記』などの戯曲、詩文については、王彦泓のような艶詩人、『青楼韻語』『唐詩艶逸品』などの女性詩集、『呉騒合編』『太霞新奏』などの散曲集、馮夢龍の『掛枝児』『山歌』など男女の恋情を主題とした俗曲集、民間歌謡集などがジャンルごとにばらばらに行われてきた。これらを総合的に扱い、中国明末文学の深層に迫りたいということが、本研究の目的であった。研究の三年目にあたる2022年度、まずは論文「香港石塘咀花街雑考」(『東洋文化研究所紀要』第182号)において、20世紀の香港における最大の花街であった石塘咀の歴史と、そこでおこなわれた文学、藝能をも含むさまざまな活動の跡をたどってみた。時代こそちがえ、「艶文学」が行われる舞台としての花街の考察は、「艶文学」研究の基礎的作業の一つである。また、「姜サイの顕彰活動 『姜貞毅先生輓章』をめぐって」(『斯文』第137号)では、明末の南京の色町でのエピソードを持つ文人姜垓とその兄、姜サイの没後に行われた顕彰活動の具体相を明らかにした。中国語で刊行された著書『晩明風雅』(香港城市大学出版社)の中でも、「宣爐因縁」「順治十四年的南京秦淮」、また明末の妓女柳如是、顧媚などを扱った章など、いずれも明末「艶文学」に関わる論考である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度当初「19世紀から20世紀はじめにかけての香港の色町である石塘咀についての論文も準備中である」と記していた香港石塘咀花街について、「研究実績の概要」に示したように、論文「香港石塘咀花街雑考」を完成、公表することができた。早く20年度に、馮夢龍の編とされる散曲集『太霞新奏』に収められる馮夢龍作の散曲作品について、その訳注を作成したが、その増補作業を継続して行っている。明末文学において目立った存在である公安派の袁宏道は、白話小説『金瓶梅』を早い段階で評価し、また民間の恋愛歌謡の価値を高く評価するなど、明末「艶文学」の展開において、重要な存在である。とりわけ、その蘇州呉県知県在任中の活動は、その後の中国文学の展開にも大きな影響を与えている。蘇州時代の袁宏道についての論考も継続して準備中である。 2022年度も依然として、コロナウイルスのため、海外、また国内での資料調査を十分に行うことができなかった。しかしながら、次第に、国内外への旅行も可能になりつつあり、最終年度である今年度は、各地の図書館等における調査、学会発表なども積極的に行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もまた、コロナウイルスの影響により、海外、国内での十分な資料調査がかなわなかった。新たに購入できた資料、これまでに集めていた資料によっては論文を書くことができたものの、新たな調査に基づく進展は少なかった。現時点では、次第に海外での調査、各地の図書館での閲覧も可能になっており、可能な限り、国内、海外の図書館等に行って、資料調査を行いたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] 白話2021
Author(s)
大木 康
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Journal Title
『漢字を使った文化はどう広がっていたのか 東アジアの漢字漢文文化圏 東アジア文化講座2』
Volume: 2
Pages: 245-254
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[Book] 晩明風雅2022
Author(s)
大木 康
Total Pages
215
Publisher
香港城市大学出版社
ISBN
9789629376017
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[Book] 明清戯曲俗曲雑考2021
Author(s)
大木 康
Total Pages
332
Publisher
復旦大学出版社
ISBN
9787309158113
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