Investigation into the old photographs of the Dunhuang manuscripts kept in Japan
Project/Area Number |
20K00379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02020:Chinese literature-related
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Research Institution | The Toyo Bunko (2022-2023) Kansai University (2020-2021) |
Principal Investigator |
高田 時雄 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (60150249)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 敦煌遺書 / 老照片 / 学史 / 敦煌学 / 写本 / 古写真 / 中国学 / 敦煌 / 学術史 |
Outline of Research at the Start |
二〇世紀初頭に中国甘粛省敦煌にある莫高窟の一洞窟から大量の古写本が発見されたことによって、国際的な研究領域として敦煌学が成立した。日本の学者はそれらの研究のために、写本が所蔵される英仏などへ渡航して写真を持ち帰ったが、それらは日本国内の大学や研究機関に少なからず保存されている。本研究ではそれら古写真の所在を調査するとともに、初期日本敦煌学史の実態解明に資したいと思う。
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Outline of Annual Research Achievements |
国内諸図書館に收藏される敦煌写本古写真の調査については、これまでの京都大学人文科学研究所、佛教大學宗教文化ミュージアム、関西大学内藤文庫、龍谷大学付属図書館などにくわえて、まず大正大学付属図書館所蔵の「敦煌遺書:矢吹慶輝博士將來」全23冊の調査を行った。これらの各冊は横長の冊子に製本されているが、もとのマイクロフィルムを焼き付けたものらしいことが、第一冊のはじめにリールNo.1とあることで知られる。また第一冊に「北京圖書館所藏敦煌資料 矢吹慶輝博士收集」とあるが、中味は英国のスタイン本であり、矢吹博士の將來写真を更にマイクロに撮影したものであることが知られる。矢吹は北京所蔵品を調査したことはなく、その意味でもこれらの写真がスタイン本であることはごく自然である。また東洋文庫においても、「重松俊松(章)先生採録ぺリオ蒐集敦煌文獻」9冊、「敦煌文獻」「中亞文獻」、「中亞探險隊將來文獻斷片」など写真アルバムの調査を行った。 一方、学史的な位置づけを行うために、近年東洋文庫にもたらされた石田幹之助資料中に見える羽田亨の石田宛書翰数十通を調査した。これらの書簡中に羽田がパリにおいてペリオ蒐集写本の撮影を行った情況及びその焼き付けを東洋文庫にもたらした経緯などを詳細に窺い知ることが出来る。東洋文庫は日本における敦煌研究の一中心であり、同文庫に敦煌写本がもたらされた具体的事情が明らかになることは、日本敦煌学史を研究する上でかけがえのない材料を提供するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのところ、日本国内で確認される敦煌写本の古写真について、日本敦煌学史の材料として扱う場合、それらの将来主体を確定しておくことが必須である。まず筆者所蔵写真は羽田家から出たもので、羽田亨の撮影に係るものは明らかであり、京都大学人文科学研究所所蔵品は明治四十三年に京都大学の教官が北京の学部新着写本を調査した折の撮影で、最も古い写真である。関西大学内藤文庫の写真は大正末年の内藤ミッション(内藤湖南、乾吉、石濱純太郎等)が英仏から持ち帰ったもの。また佛教大学宗教文化ミュージアム及び大正大学図書館所蔵の写真は矢吹慶輝がもたらした写真である。また龍谷大学のものは久野芳隆氏が持ち帰ったものであることが明記される。東洋文庫現蔵の写真はあまり古いものが残っていないようであるが、石田幹之助資料中に見られる若干の写真はすべてペリオ写本であり、おそらくは羽田亨の撮影と推測できる。 これらの学者たちが具体的に如何にして敦煌遺書の写真を持ち帰ったかについては、それぞれの学者自身が著書論文等に触れている場合もあるが、古写真そのもの或は日記や書簡などから情報を得ることが可能な場合があり、これまで既にそれら関連情報を保全している。戦前期には英仏等に渡航して写真を将来し得る人々は限られた数に止まっていたために、それらの写真はしばしば複製が作られ研究者の利用する所となったわけだが、その実態についても一定の知見を蓄積しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内に所蔵される敦煌写本古写真の調査については、今後なお発見される可能性がなくはないが、個人蔵の写真は調査が困難であり、これまでの調査を以て完了としたい。今後はそれぞれの学者たちが写真を持ち帰った経緯を可能な限り詳細に跡づけること、及びそれらの写真が研究資料としてどういった研究に利用されたかを含め、総体としてこれらの写真が果たした役割を明らかにしたいと考えている。高田所蔵の古写真は羽田亨が手許に置いて研究資料として利用していたものであり、それらのコピーが石田幹之助及び東洋文庫にもたらされたことが知られ、その詳細な情報が最近東洋文庫に入庫した石田幹之助資料中に大量に保存されている羽田亨の石田宛書簡中に見られる。また京都文科大学の五教官が明治四十三年に北京に赴いて敦煌から北京に搬送されたばかりの敦煌写本を調査したことは、かつて関西大学内藤文庫などの資料によって報告したことがあり、内藤ミッションの将来写本についても若干論文中に触れたことがあるが、本研究においては新出の羽田亨書簡の詳細な検討を通じて、羽田がもたらした敦煌写本古写真の学術史的意義について詳細に叙述したいと考えている。
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Report
(4 results)
Research Products
(21 results)
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[Journal Article] 再び白堅について2021
Author(s)
高田時雄
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Journal Title
敦煌寫本研究年報
Volume: 15
Pages: 137-158
DOI
NAID
ISSN
1882-1626
Year and Date
2021-03-31
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