米国舞台・表象空間における日本人ストックキャラクターの系譜と展開
Project/Area Number |
20K00385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸谷 陽子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30261093)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ストックキャラクター / アジア系アメリカ人 / ヴェトナム戦争 / アファーマティヴアクション / 日系アメリカ人収容所 / オタク文化 / アジア系 / Bret Hardt / Mark Twain / Heathen Cheenee / Ah Sin! / Robert Long / David Belasco / Madame Butterfly / アメリカ演劇 / バラエティ / ミュージアムシアター / サーカス / バーレスク / ミンストレル劇場 / 日本(人)表象 / アジア(人)表象 / パフォーマンス研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近代以降の米国表象空間(主に舞台芸術)に展開した日本人のストックキャラクター群を対象に、①主としてマスメディアにおける言説や表象と比較・実証的に再検証することでイメージの形成と展開を文化史的な系譜として概観・分類し、②さらにその後の発展と変容、現代に通じる展開を同様に検証し、③グローバル化の進む現代の表象空間における日本人とアジアの表象の新たなる展開を標榜するための学術指標を提示する。 東西文化の接触場面において、具体的にどのような事例や史実が、いかに演劇的なキャラクター形成と表象に影響したか、いかなる政治意識が活性化されキャラクターが制度化されたかを問題意識とし研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近代以降の米国表象空間(主として舞台芸術)に展開した日本人のストックキャラクター群を対象に、①主としてマスメディアにおける言説や表象と比較・実証的に再検証することにより、そのイメージの形成と展開を、地政学的文脈に照らし、文化史的な系譜として概観・分類し、②さらにその後の発展と変容、現代に通じる展開を同様に検証し、③グローバル化の進む現代の表象空間における日本人とアジアの表象の新たなる展開を標榜するための学術指標を提示することにある。 2022年度は、引き続き前年度の「世紀末における日本人イメージの展開」の検証を進め、調査対象と範囲を20世紀以降にも拡大し、日本人のイメージの展開を確認した。さらに当該年度の計画に従い、「米国における戦争と日本人の表象」(仮題):日本関連の報道とイメージの変化を辿る作業と、同時に戯曲を中心とした演劇作品における日本人のイメージを検証した。予定としては、日本が強国と意識されるようになる日露戦争、太平洋戦争に至る時期の新聞報道や、日系アメリカ人の収容所に関するニュースリールの方法論を考察し、キャラクタータイプとして抽出された表象を検討することで、20世紀後半への日本人イメージの展開を検討する計画であったが、実際の舞台上演に関する検証を残している。関連してアニメーション等に散見されるITを熟知したギーク/ナードのイメージの検証を開始したこともあり、20世紀中葉より米国におけるアファーマティヴアクションの背景として、アジア系アメリカ人のキャラクタータイプが関係することに着目した結果、対象範囲が広がったためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ禍の影響により、過去2年間に予定していた海外調査が実施できなかったため、計画を変更し、本年度に海外調査を行うこととする。調査は米国のワシントンDC国立アーカイヴおよびニューヨーク市公共図書館舞台芸術分館を予定している。欧州で19世紀から20世紀にかけて博覧会を中心とした舞台芸術公演関連の資料を調査収集する計画は、現在来年度に順延することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
「モデルマイノリティ―とその逆転」(仮題):戦後から現代に至る報道を中心に分析を行い、ロールモデルとしての日系人のイメージが定着した経緯とこれを採用した戯曲および演劇作品を検証し、さらに日系劇作家によるその脱構築に注目して分析を加える。また、21世紀を跨ぐポップでハイテクな日本人イメージのソースについても報道を中心に調査、分析する。 これまで抽出したのは、蝶々夫人に代表される優美で従順な女性キャラクター、コミカルな男性キャラクター、侍に代表される厳格かつ大仰なイメージ、猿を想起させる身体的イメージ、モデルマイノリティ―といわれる米国における日系人ロールモデルのイメージ、高度経済成長期を経たエコノミックアニマルやビジネスマンのイメージ、男性性を剥奪された性的劣等人種としての男性イメージ、ゲイ男性のイメージ、ITを熟知したギーク/ナードのイメージ、カワイイカルチャーやアニメキャラクターを反映し変転したイメージ等々であり、これらがマスメディアにおいて表象される様相と、実際に演劇的な作品として流通する過程を検証しつつ、整理する。一方、19世紀から20世紀にかけて博覧会を中心とした日本人による舞台芸術公演の影響が大陸両岸に浸透したことから、欧州での関連資料の調査収集も計画している。 最終年度を意識し、学術的な諸言説・理論を導入し、総括的な問題の把握・指標の確立を目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)