ドイツ英雄詩の受容史研究―英雄詩素材の歴史的アクチュアリティ
Project/Area Number |
20K00491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 潤 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50613098)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 英雄叙事詩 / 受容史 / ドイツ文学 / 歴史性 / オーストリア文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、過去の歴史を伝えるものとみなされていた英雄詩/英雄叙事詩を素材とする作品が受容される際に、過去へと遡行的に生成される歴史構造を検証し、物語に語られている「過去」とその作品受容が行われる「現在」の関係の背後には、いかなる歴史/文化史観が前提とされているかを探る。そして、ドイツ史上の各フェーズにおいて、英雄詩素材が獲得している歴史的アクチュアリティの内実を明らかにすることを目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度には、これまで取り組んできた研究の成果が複数点、書籍に収録される形で公表された。まず19世紀後半から20世紀半ばにかけての英雄詩素材の受容に関する研究の成果をまとめた2本の論考(「「ドイツ」国民叙事詩?─オーストリア文学史叙述における『ニーベルンゲンの歌』」および「敷居に立つニーベルンゲン─マックス・メルによる二部作『ニーベルンク族の災厄』」)が、令和5年5月に刊行された書籍『モルブス・アウストリアクス』に収録された。また、令和3年度に行った中世盛期から後期にかけての英雄詩素材の受容の様相に関する口頭発表を論文化した「ドイツ語圏英雄伝承の教化素材化―ニーベルンゲン伝説およびディートリヒ伝説を題材に」が、令和6年3月に刊行された書籍『修道制と中世書物』に収録された。さらに、令和5年3月に一部を口頭発表した、フリッツ・ラングによる映画『ニーベルンゲン』に関する研究を「フリッツ・ラング『ニーベルンゲン』―中世英雄叙事詩の戦間期におけるアダプテーション」として論文化した。本論文は令和6年度内に刊行予定の書籍への収録が決定している。 加えて、令和2年度に口頭発表を論文化した、文芸作品における感情表現を軸に、英雄叙事詩の中世盛期におけるアクチュアリティに関する考察を含む論考「「怒りzorn」と「敵意haz」―中世叙事文学に見る感情の表象するもの」が、令和5年12月に刊行された西洋中世学会機関誌「西洋中世研究」第15号に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、これまでの研究成果の論文化とその公表という観点からは大きな成果があった一年であったが、各論考の論文化や書籍への収録に際しての改稿に集中したため、新たな知見や研究対象の拡大を行うことが困難であった。それに加え、複数の要因により当初予定していた渡独と現地での研究活動を断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初令和5年度までの予定であった本研究は、予期していなかった要因により同年度内での気切りを付けることが困難となり、また予定していたドイツ・オーストリアへの渡航も実現できなかったため、研究期間の延長を申請、受理されている。令和6年度には、ドイツ・オーストリアでの資料調査に加え、これまでの研究成果の通時的な視点からの整理と、20世紀後半以降の英雄詩素材の再作品化に関する研究を行う予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)