Project/Area Number |
20K00523
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西槇 偉 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50305512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 静華 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50404322)
坂元 昌樹 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (70346972)
屋敷 信晴 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (40404321)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 夏目漱石 / 小泉八雲 / 東アジア / 翻訳 / 犬童球渓 / 豊子愷 / 受容 / 翻案 / 包天笑 / 日本近代文学 / 草枕 / 村上春樹 / 比較文学 / 植民地 / 近代化 / 翻訳受容 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本近代文学と東アジアとの関わりを、「植民地」「近代化」「翻訳受容」の三つの視座より検討し、日本近代文学の新たな読解を引き出すとともに、東アジア近代の文学と文化をも逆照射しようとするものである。 まず、本研究では夏目漱石を中心に据え、日本近代文学と植民地の問題を問う。次に、「近代化」をめぐる東アジア地域の相互刺激と差異を、文学作品などを通して解明していく。第三に、東アジアにおける日本近代文学の翻訳受容に焦点を当てる。とりわけ、漱石作品の読まれ方について検討し、地域間の文学・文化状況の類似性と差異を浮き彫りにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)研究フォーラム「漱石とハーン―翻訳の視点から」日本比較文学会春季九州大会シンポジウム、比較文学会九州支部・熊本大学文学部附属漱石・八雲教育研究センター共催、 2023年7月1日(土)於熊本大学黒髪キャンパス/①坂元昌樹「翻訳者としての夏目漱石―『文学論』『文学評論』を中心に」、②藤原まみ「漱石のフランス文学―ハーンの英語翻訳に触れながら」、③松枝佳奈「漱石のロシア文学受容再考の試み―漱石文庫を中心に」、④西槇偉「『吾輩は猫である』の中国語訳について」 (2)業績リスト ①西槇「中国文人画的近代化:豊子愷作品中伝統題材的応用」『漫画研究』創刊号、陶冶主編、北京漫画学会、2023年、116-132頁/②同「歌でつながる心と世界―人吉で李叔同の「送別」を歌う」『TONGXUE』67、2024年3月、同学社、2-3頁/③同「書評:黒柳徹子著『続 窓際のトットちゃん』」『熊本日日新聞』2024年1月28日朝刊/④同「李叔同の≪送別≫について」犬童球渓没後80年記念レクチャーコンサート・プログラム「犬童球渓の音楽アーカイブズの構築」研究グループ編集・発行、2023年12月9日/⑤坂元昌樹「翻訳文化の諸相―夏目漱石『文学論』を中心に」『近代アジアの文学と翻訳 西洋受容・植民地・日本』アジア遊学286号、勉誠出版、2023年、79-84頁/⑥屋敷信晴「夏目漱石「古別離」と『文選』」『中国中世文学研究』76号、同学会、223-243頁 (3)学会発表等 ①西槇「『夢十夜』を読む――中国語訳の視点から」NPO法人くまもと漱石文化振興会/熊本大学文学部附属漱石・八雲教育研究センター共催、2024年3月30日(土)、於熊本大学黒髪キャンパス・くすの木会館レセプションルーム/②同「李叔同の≪送別≫について」犬童球渓没後80年記念レクチャーコンサート、2023年12月9日、於人吉カルチャーパレス
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、20年度にシンポジウム「夏目漱石と東アジア」を開催し、21年度には共編著『アイラヴ漱石先生』を編集・公刊し、22年度は「日本と中国における『クオーレ』の翻訳受容」をテーマに研究発表を行ない、23年度には共編著『近代アジアの文学と翻訳 西洋受容・植民地・日本』(アジア遊学286号、勉誠出版、2023.7)を刊行することができた。 23年度に刊行した同論集においては、東アジア諸地域のみでなく、東南アジア(ベトナム・インドネシア・タイ)に関する論稿も収録することができた。同書は学会誌で書評されることが決まっており、近年盛んに行なわれている翻訳研究に寄与するものと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の目標として、これまでに進展のあった領域についてはさらなる展開を試み、同時に新たな方向をも模索したいと考えている。 かなり成果を挙げられたのは、夏目漱石に関する研究である。引き続き多方面にわたり、深化を図りたい。(1)夏目漱石の作品の中国における翻訳受容について、これまでの研究発表を通して手ごたえを感じており、『吾輩は猫である』『二百十日』『夢十夜』などの中国語訳をめぐって、論稿をまとめたい。(2)2019年に共編著『夏目漱石の見た中国 『満韓ところどころ』を読む』(集広舎)を公刊したが、夏目漱石と満洲・朝鮮との関わりについて、研究分担者と共同でさらなる掘り下げを行ないたい。
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