Project/Area Number |
20K00551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
吉田 さち 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (10587786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80350239)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 社会言語学 / 方言接触 / 言語接触 / コード切り替え / 在日コリアン / 在樺コリアン |
Outline of Research at the Start |
本研究は祖国を離れた「ディアスポラ言語変種」が、新天地で接触によって誘発され、様々な変容(contact-induced language change)を遂げる過程と結果、その諸要因を究明することで、言語・方言接触に関する理論構築に寄与することを目指している。具体的には、在外コリアンに焦点を当て、日本の首都圏およびロシアのサハリン州(かつての「樺太」)在住のコリアンコミュニティにおいて言語・方言接触の結果として生じた①コード・スイッチング、②借用語、③コイネーに関する事例を収集し、社会言語学分野の様々な理論的枠組みを検証していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、ロシアのウクライナ侵攻による影響でサハリンでの現地調査実施の見通しが立たないことから、一時帰国者からのデータ収集を開始した。日系8人、朝鮮系1人、日朝系4人、計13人のデータを収集した。加えて、首都圏の在日コリアン3人のデータを収集した。収集後は、順次、談話データの文字起こし、聞き取り、コーディング、統計解析を進めている。 これまでの研究成果の中間報告として、2024年2月25日-26日に東京外国語大学アジアアフリカ研究所で開催されたシンポジウム「移動・境界・言語」にて「多言語社会サハリンにおける日朝露間のコード切り替え―探索的研究―」というタイトルで公表し、有益なフィードバックを得た。さらに、言語政策と言語維持および言語切り替えの関連性に焦点を当てた論考が第26回日本言語政策学会で採択され、来る6月に「唐辛子увожу всё туда с собой, и cimchi作ります―激変する言語政策に翻弄された樺太日系・朝鮮系話者の多言語使用とその可変性―」として口頭発表する予定であり、現在準備を進めている。 学術論文として、「見かけ上の時間を用いた樺太日本語の研究―コロニアル・コイネーの形成と変容―」が、『方言の研究』9巻(招待論文・査読付・2023年7月刊行)に掲載された。さらに、「樺太日本語における朝鮮語・ロシア語の影響―言語接触に誘発された音声変異に関する探索的研究―」が『方言の研究』10巻(査読付)に採択され、2024年に出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗について「おおむね順調に進展している」と判断した。ロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、サハリンでの調査は行えなかったが、13名の一時帰国者からデータ収集を行うことができた。また首都圏の在日コリアン3名にも調査を実施した。調査結果の分析を進め、学会発表1件、論文(査読付)1本を公表することができた。現在、6月の学会発表の準備と2024年度出版予定の論文の校正を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も既存のデータの書き起こし・集計・分析を進めていく。サハリンでの調査実施の見込みが立つまでは、引き続き、一時帰国者からのデータ収集を実施する。研究推進のため、書き起こし・集計・分析に際して、韓国語母語話者・ロシア語母語話者等の協力スタッフの拡充を図る。
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