Project/Area Number |
20K00552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中井 延美 明海大学, 外国語学部, 准教授 (30406384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 佑司 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 名誉教授 (90051747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 代用表現 / 名詞句 / 形式特性 / 意味機能 / 発話解釈 / 照応関係 / 名詞句の意味機能 / 名詞句の形式特性 / 関連性理論 |
Outline of Research at the Start |
代用表現(代用形)の意味解釈メカニズムについては、これまで「言語的先行文脈のどこかに代用表現に対応する先行詞が存在しているはずであり、それを同定する」というモデルが想定されてきたが、そのようなアプローチには多くの問題があると考える。本研究の目的は、(i)名詞句の形式特性、(ii)文中の名詞句の意味機能、(iii) 発話解釈についての語用論メカニズムという三つの観点から得られた知見を活用して、代用表現解釈メカニズムに新たな光を当てることである。代用表現には束縛照応関係と自由照応関係という本質的に異なる側面があることに着目し、最新の意味理論と語用理論がそれらの側面をどこまで説明できるかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本語教育や英語教育において代用表現に関わる学習要素がどのように組み込まれているかを精査し、前年度までに本研究から得られた知見を教育に活かす方法を考えた。日本人学習者の英作文における代用形とコピュラ文に関する特徴を検討した。具体的には、高校を卒業して1年以内の大学1年生で、英語をあまり得意としない学習者が書いた作文のなかで、代用形とコピュラ文に関する間違いに着目した。実際、英語への習熟度が低い学習者が書いた作文では、代用形やコピュラ文に関して、学習者の母語(日本語)のルールが適用される傾向が顕著であることは予測通りであった。その母語のルールがなぜ英語に当てはまらないのかを、学習者がどのように理解していくかを探る点が重要である。 本研究課題の途中結果が間接的に示唆していることは、おもに次の2点であり、今後の課題にもつながる。 一つは、英語への習熟度が低い日本人学習者であっても、その習熟度を高めるには、英語の語彙や文法、発音などに関する知識と代用表現の実践的運用力を増強させていくだけでなく、母語である日本語を客観的に理解するための取組みや姿勢も有効であろうと考えられる。 そして、もう一つは、母語の代用表現に関するルールがなぜ英語に当てはまらないのかを、英語教育の現場で学習者に適切に理解してもらうためには、応用言語学の諸領域だけでなく、意味論・語用論などを含めた理論言語学からの知見を具体的且つ実用的に教師養成のプログラムや教材それ自体のなかに組み込んでいくことが有益であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関において学部異動があり、2023年4月から新しい学部で慣れないことが多く、研究作業に費やせる時間が、当初の予定より少し削られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
語レベル、句レベル、文レベルでの曖昧表現に着目して、これまでの研究から得られた知見を日本語教育・英語教育に具体的に活かす方法を考える。具体的には、多義と同音意義、漢字で区別しても曖昧さが残る例、文法構造による曖昧性、「ワイシャツができましたよ」のような文の意味構造と曖昧性、コピュラ文(AはBです)や「AのB」のような構造、非飽和名詞の曖昧性などを、代用表現と関連させながら、あらためて検討する。また、関連性理論のアドホック概念構築、自由拡充などの語用論操作の関わる曖昧性も再検討する。特に教育への応用に関する研究成果を学会発表等で発信する。
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