言語と音楽の接点における英語の好韻律性具現に関する実証的研究
Project/Area Number |
20K00662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
服部 範子 三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 英語 / 音声 / リズム / 強勢 / テクスト・セティング / 言語リズム / プロソディー特徴 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、現在、科学研究費を得て研究を進めているテクスト・セティング(韻律格子と音節のマッピング)の観点による英語の歌の記述・分析をさらに進めることによって、英語母語話者の音声、とりわけリズムを中心にプロソディーに関する知識を明らかにすることである。この領域は、音楽的リズム構造と言語の音韻構造の対応を考察するもので、韻律理論と最適性理論の制約の考え方を理論的基盤に、英語の好韻律性の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、英語の好韻律性に関して言語と音楽の接点という観点から文献を読み進めるとともに、これまで国内外の学会で査読を経て口頭発表してきた内容を書籍として刊行するために、共時的音声変異の観察・分析を好韻律性の議論に発展させた。 具体的には、現代イギリス英語において第1強勢の変異が観察されるという報告を検証する試みを出発点として、本研究では、従来の変異研究が専ら研究の対象としてきた分節音だけでなく、超分節音的特徴についても「変異は決してでたらめではなく構造をなす」ことを明らかにし、変異の背後にある言語内的要因を指摘した上で、英語の語強勢の揺れに着目すると、その背後にはリズムについての一般的な原則が見えてくることを実例とともに示した。リズム的に好ましい型、すなわち好韻律性を論じるために韻律グリッドという概念を用い、一方、2000年前後からリズム研究のために提案されてきたいくつかの指標のうち、nPVI(標準化配列間変動指標)を援用して、言語と音楽の接点という観点から好韻律性についての議論を展開した。 テクスト・セティングの分析を通して、英語母語話者の音声に関する無意識の知識を明らかにすることが可能で、英語では音楽的に強いビートの位置に強勢のある音節をあてるという、先行研究で指摘されてきた制約について、一見例外と思われる事例を詳細に検証し、そのうちの一定数は韻律シフトで説明可能であることを提案し、真の例外と区別した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
言語と音楽の接点におけるリズム研究の一つとして、これまでの研究成果をまとめたものを年度内に共著の形で書籍として刊行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に続き、分析・検証の理論的背景として音韻論のテクスト・セティングと標準化配列間変動指標(nPVI)を用いて、西洋音楽が日本に導入された明治期(1868-1912)において、英米から日本に紹介された英語の歌が日本語に翻訳される過程でリズムの相違が生じていないかを分析し、もし相違があればその理由を考察する事例研究を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)
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[Book] 音韻理論と音韻変化2022
Author(s)
服部 範子、柴田 知薫子
Total Pages
248
Publisher
開拓社
ISBN
9784758914192
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