『聖グースラーク伝』ラテン語・古英語のテキスト校訂:文体の比較研究に向けて
Project/Area Number |
20K00687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石黒 太郎 明治大学, 商学部, 専任教授 (60296548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | Guthlac / テキスト校訂 / ラテン語 / 古英語 / 聖人伝 |
Outline of Research at the Start |
『聖グースラーク伝』は古英語の翻訳作品の中では珍しく、対応する箇所がラテン語・古英語の双方に見出せる比較的忠実な翻訳となっているのだが、これまで質の高い校訂テキストがなかったために、この作品を対象とした古英語の文体に対するラテン語の影響を調査した研究がきわめて少ない。本研究はまず語学的な比較研究に耐えうる、ラテン語原典と古英語散文訳の現代的な校訂テキストを作成する。そして古英語散文訳の文体がラテン語から受けた影響を調査する。語法、統語の新たな知見を得るだけでなく、広く英語史研究に有用な資料を提供できる研究となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の作業は、(1)現存するラテン語原典のテキスト校訂、(2)現存する古英語散文訳のテキスト校訂、(3)ラテン語原典と古英語散文訳の語学的な比較研究にまとめることができる。コロナ禍により(1)の調査範囲を縮小することになったものの、(1)(2)の成果に現代英語訳を対訳で付した校訂版を出版するという新たな目的を本研究に加えることにした。 (1)の作業では、底本となるC2写本に、C1写本、A写本の異読を脚注として加えた校訂テキストを完成させた。現代英語訳の準備も4分の1ほど終えている。(2)の作業では、校訂テキストをほぼ完成させた。これらの作成途中のサンプルをもとに出版企画をLiverpool University Press に提出し、2024年に最終稿を提出する方向で出版契約を結ぶに至った。この新たな校訂版はJane Roberts(Univ. of London)の協力を得て制作している。 そのほか今年度は、本作品を中世初期の聖人伝の伝統の中に位置づけるような研究を(3)の成果として発表した。M. J. Toswell (Univ. of Western Ontario)と共編で刊行したMedieval English Syntax: Studies in Honor of Michiko Ogura (Berlin: Peter Lang, 2022)所収の虚辞の否定にかかわる論考、非人称構文に関する学内紀要に発表した論考と日本中世英語英文学会全国大会で口頭発表した「文法的に明確な分類ができない古英語の事例の考察」、旅をテーマとした論集『旅するナラティヴ』(大沼由布/徳永聡子編、知泉書館、2022年)に寄稿した論考を、2022年度の研究成果として挙げることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査の対象をオンラインで確認できる範囲を中心にして縮小した一方で、新たに校訂版を出版することにしたことで当初、計画になかった作業が増えたものの、計画変更後の進捗状況は予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい校訂版Felix’s Life of Saint Guthlac and Its Two Old English Versions, with Modern English Parallel-Text Translations(仮題)の最終稿を2024年春までに完成させるために、(1)(2)の現代英語訳の作成、校訂や解釈に関するcommentaryの作成、語彙集の作成にあたる。そのかたわら、(3)の研究も進め、研究論文の形で発表をしたいとも考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)