協働学習における対人技能と自律性を高める活動デザインの開発
Project/Area Number |
20K00698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田中 信之 富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 准教授 (80288331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺津 嘉之 関西学院大学, 日本語教育センター, 講師 (00599201)
中尾 桂子 大妻女子大学短期大学部, 国文科, 准教授 (20419485)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 協働学習 / パーソナリティ / 対話 / 外向性・内向性 / 対話的評価活動 / 他者と対話する意思 / 対人スキル / 外向性 / 学習者意識 / 対人技能 / 自律性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、協働学習において対人技能と自律性を育成するうえで、促進要因と阻害要因のどちらにもなりうる学習者のパーソナリティに注目する。 本研究の目的は、外国人留学生・日本人大学生を対象として協働的活動と学習者の内省活動を組み合わせた「対話的評価活動」を実施し、 (1)「対話的評価活動」において学習者のパーソナリティがどのように影響するか (2)学習者パーソナリティの影響を鑑み、教師はどのような役割が果たせるかを明らかにすることである。これらの研究により、対人技能と自律性を高める活動デザインの開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は協働学習をいかに促進させるかという視点と、学習者がどのような力を獲得するかを見据えて、内向的学習者の話すことに対する意識から、他者と対話する意思(Willingness to communicate、WTC)に影響する要因を探ることを目的とした。 対話的評価活動の実施後とその 1 年後に、日本語学習者 2 名にインタビューを行った。SCAT を用いてストーリー・ラインおよび理論記述を導き出し、研究参加者である H と T の語りについて、WTC を分析的枠組みとして共通点と相違点を詳細に分析した。その結果、他者に対話する意思には「安心感 / 不安感」「自信」が影響していることが明らかとなった。また、「安心感」は場の雰囲気や人間関係が関連しており、「不安感」はコミュニケーション不安、対人不安であること、「自信」は他者評価および対話の経験に基づくことが示された。これにはパーソナリティが関係していることが示唆されたが、学習者によってはパーソナリティを過剰に問題視し、 WTC に悪影響を及ぼす可能性も見受けられた。 今後は、本稿で実施したような対話を取り入れた授業を継続していく必要がある。それにはその場に参加する全員が「場の雰囲気」をつくらなければならない。その中でコミュニケーション不安を解消し、対人スキルを向上させていくことが期待される。また、大学教育という俯瞰的な捉え方で、内向的学習者をはじめとする、さまざまな学生の育成を考えていかなければならない。そこには、対人スキルなどが複雑に絡んだ能力を評価することも必要となる。認知的能力と非認知能力を対象とした評価を行うことにより、一人一人異なるパーソナリティを持つ学生に対応することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度より授業開始時に各機関で共通のパーソナリティ尺度(小塩ほか2012、日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J))を用いて調査を行っている。しかし、TIPI-Jの結果と他のデータをどのように分析を行うかを引き続き検討しており、時間を要している。2022年度はTIPI-Jの結果から内向的学習者を定義し、インタビューの内容をSCATを用いた分析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は前年度と同様に(1)対話の録音資料、(2)インタビュー調査録音資料、(3)内省活動表の記述、(4)教師のフィールドノートを共通したデータとし、それ以外は各機関独自でデータを収集した。2023年度も引き続きデータを収集するとともに、これまで扱ってこなかった(1)対話の録音資料を会話分析の手法を参考に分析していく。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)