「保護者としての日本語」の確立に向けた『幼稚園の配布文書コーパス』の構築と分析
Project/Area Number |
20K00730
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長谷川 守寿 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (50272125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 広美 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (10794232)
長谷川 頼子 敬愛大学, 国際学部, 准教授 (50968998)
井上 里鶴 麗澤大学, 国際学部, 講師 (30966924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 幼稚園 / 配布文書 / やさしい日本語 / 研修 / 特徴語 / 海外につながりを持つ保護者 / 保護者としての日本語 / コーパス |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、日本語の教室で学ぶ機会がなく、日本語教育の対象外に位置づけられる外国人保護者に、確実に必要度の高い情報を理解してもらうには、どのようにして情報を抽出し、どのような形で提供すればいいのか、明らかにすることである。 これを明らかにするために、本研究では幼稚園に子どもを通わせる外国人保護者を対象とする。そして幼稚園からの配布文書を調査し、外国人保護者が文書を理解できるようになるには、どんな語彙・文型リストが必要かを解明する。 さらに、公開を前提とし、コーパス研究に堪えられる「幼稚園の配布文書コーパス」を作成することで、様々な面での発展が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
「やさしい日本語研修」の方法・内容の検討を目的として、外国人との接触が多いと考えられる公共団体に所属・関係する日本語母語話者に対象に、「やさしい日本語研修」を実際に行った。その中で、自治体職員には研修前後の外国人対応に対する言語と態度に関するビリーフの変化、茨城県家庭教育推進員には研修を受けた感想を調べるアンケート調査を行った。 その結果、自治体職員の場合、有意差が認められた言語に関するビリーフには、【窓口での実際の対応に関するもの】があり、「英語で対応すべき」「母語が分かる職員が対応するべき」「丁寧な日本語で話すべき」「通訳が出来る人と一緒に来るべき」について、いずれも、研修後には「そう思わない」という方向への変化が見られた。やさしい日本語の研修を受けて「そう思わない」と変化したのは、自身の言葉を相手に合わせたやさしい日本語へと調節して話す手段を知ったことが大きく関係していると考えられ、研修の可能性が明らかになった。また、態度に関する【窓口対応に対する双方の事前の心構え】については、有意差が見られなかった。これらは市役所職員として長年の経験から培われる考え方であり、やさしい日本語研修で変化するものではないと考えられる。 茨城県家庭教育推進員を対象とした日本語研修については、「やさしい日本語」の知識の有無にかかわらず、一斉に研修を行って問題がないこと、これまでの経験により研修で重要だったと考える項目に違いがあることがわかり、その原因について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本調査で対象とする幼稚園の配布文書であるが、紙での配付が少なくなり、制限をかけた状態でのwed公開が多くなっているように思われる。また、個人情報に関する意識が強くなったためか、ある程度まとまった文書の提供者を探すのが、非常に困難になった。そのため、データの収集が全く進んでいない。WEB上で情報を公開している幼稚園もあるため、情報の収集も試みてみたが、公開されていない情報も多く、紙で配付されている文書と同等に扱うには、問題があることが分かった。引き続き、収集のための努力を継続する。 ただし、公的機関に属する(または関係する)日本語母語話者に対する、「やさしい日本語講習」の内容や実施方法の検討は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
元となる配付文書が入手できず、信頼性のある文型や特徴語の抽出が難しくなってきた。このデータを元にハンドブックの作成などを念頭に置いていたが、この状況では実現は難しい。仮に、実現できたとしても、語彙リストや文型の照合、やさしい日本語を読む能力の習得等の保護者側の対応や、園長や教諭など配布物の作成者がやさしい日本語への書き換えの技術を習得するなどの幼稚園側における対応は、双方にとってかなりの負担となることが予想される。 そこで、現在の情報技術の活用を考えている。具体的には、生成系AIを用いたやさしい日本語への書き換えである。その調査では、今まで構築してきた2つの園のデータを元に、書き換え前の文書の難易度と、やさしい日本語に書き換えた後の文書の難易度を比較する。幼稚園の配布文書では、どのような変化が見られるか明らかにし、詳細に結果を検討することで、生成系AIを用いてやさしい日本語に書き換えることができる文書と、そうでない文書つまり人手での書き換えが必要な文書を科学的な手法で明らかにして、文書に対応した書き換え作業の分離を提案する。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)