Study on sustainable development of teacher's practical competency in Japanese language education for children
Project/Area Number |
20K00735
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川上 郁雄 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (30250864)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | JSLバンドスケール / 年少者 / 教師養成 / 教師の専門性 / 教師研修 / 日本語指導 / 移動する子ども / 初等中等教育 / 年少者日本語教育 / 教師 / 実践力 / 持続可能な方法 |
Outline of Research at the Start |
本研究の主題は、「子どもに必要な言語能力とは何か」という問いと「子どもをどのように捉えるか」という問いと関連する。実践者はこの二つの問いをいかに意識し、日常的な実践から実践力向上を図ることができるのか、そのために持続可能なシステムをいかに構築するかが最終的な目標となる。そのような持続可能なシステムを開発することが、実践研究そのものであるという観点と認識の必要性を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、年少者日本語教育の実践者の養成および研修に関して、東京都目黒区、三重県鈴鹿市の教育委員会、教員と協議を行い、研究を進めた。筆者の所属する研究科は2008年度より上記の目黒区教育委員会、鈴鹿市教育委員会とJSL児童生徒の日本語教育支援システムの構築を協働開発してきた。その中で、年少者日本語教育の実践者の専門性をどう高めるかについて研究を行った。2022年度は、これまでの研究と合わせて、研究成果として刊行した「JSLバンドスケール【小学校編】」と「JSLバンドスケール【中学・高校編】」、「日本語を学ぶ子どもたちを育む「鈴鹿モデル」ー多文化共生をめざす鈴鹿市+早稲田大学協働プロジェクト」を鈴鹿市、目黒区の学校へ提供し、学校現場の教員の実践力向上をめざす取り組みに役立ててもらった。また、上記の「JSLバンドスケール」を使用して「オンライン無料講座」(zoom使用)を2022年4月より2023年3月まで毎月、合計12回実施した。この講座には、全国からのべ200名以上の実践者が参加した。国内外の複数言語環境で日本語を学ぶ子どもたちを「移動する子ども」という独自に開発した分析概念を用いて研究を進めた。その研究をさらに進めるために、「早稲田こども日本語研究会」をオンラインで6回、実施した。毎回、複数言語環境で成長した子どもの研究や自身の「移動する子ども」という経験と記憶を持つ専門家を2名ずつ、計12名を招聘し、議論を重ねるともに、国内外からの100名以上の参加者とともに、年少者日本語教育の実践者に必要な知見および実践力、専門性を向上させる持続可能な方法について研究を行った。また、海外の二つの学会(カナダ、韓国)から基調講演の招聘を受け、研究成果の一部を講演した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染が継続しているため、海外調査がすべてキャンセルとなったため、2022年度はオンラインによる研究活動を重視した。国内の学校関係者とは、研究成果となる「JSLバンドスケール」等を用いて協議や研修を重ねることができた。また、のべ200名以上の実践者と協議を行うことができた「JSLバンドスケール」オンライン講座(以下、「オンライン講座」)と研究方法に変更したために可能となった。さらには、この「オンライン講座」は、「JSLバンドスケール」を解説するとともに参加者と協議を行う1部と、「JSLバンドスケール」を使った実践について協議をする「実践交流会」の2部と2部構成にしたことにより、さらに実践研究が進んだ。全国の教育現場にいるJSL児童生徒の現状とそれに対応した「JSLバンドスケール」を使った実践をどうデザインするか、またそのための教員・実践者の実践力を向上させるために何が必要かという点を深く検討することができた。ここでも、子どものことばの力を実践者が「JSLバンドスケール」を使って把握し、そこから実践をデザインする力を育成するためには、実践を通じて考える方法が有効であることが確認された。同時に、「早稲田こども日本語研究会」をオンラインで6回実施し、国内外の多くの専門家、実践者と協議を重ねることができたことも研究方法を変えたことで得た成果と言えよう。この研究会を通じて、幼少期・成長期に複数言語環境で成長する子どものことばの力の捉え方、移動とことばとアイデンティティの関係についても協議を重ねることができた。このことも、実践者の実践力向上を持続的に図る方法の開発につながると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究の最後の年度となる。そのため、これまで実施してきた「JSLバンドスケール」オンライン講座(以下、「オンライン講座」)を毎月、実施し続けるとともに、これまで「オンライン講座」に参加した500名以上に「オンライン・アンケート調査」を実施し、「JSLバンドスケール」を使用した経験や実践力向上について「オンライン講座」受講後にどのように変化したか等について明らかにしたいと考えている。さらに、その「アンケート調査」に参加した実践者へのオンラインによるインタビュー調査を行い、本研究の課題である、実践者の実践力向上を持続的に図る方法について探究する予定である。また、これまでの研究成果を、2023年9月に豪州で開催される学会で発表することがすでに決定している。同時に「早稲田こども日本語研究会」をオンラインで引き続き実施し、国内外の多くの専門家、実践者と協議を重ねることを考えている。さらに、国内においてこれまで「JSLバンドスケール」を導入し、JSL児童生徒への日本語教育について協働研究を15年以上継続してきた三重県鈴鹿市、東京都目黒区の教育委員会の先生方と実践者の実践力向上の方法について協議を行う。そのうえで、これまでの研究成果を踏まえ、研究論文にまとめ、学会誌、ジャーナル等に発表する予定である。そのことを通じて、幼少期・成長期に複数言語環境で成長する子どものことばの力の捉え方、移動とことばとアイデンティティの関係についても研究を重ね、実践者の実践力向上を持続的に図る方法を提案していきたい。
|
Report
(3 results)
Research Products
(16 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 移動とことば22022
Author(s)
川上郁雄・三宅和子・岩﨑典子
Total Pages
256
Publisher
くろしお出版
ISBN
9784874248966
Related Report
-
-
-
-
-