Project/Area Number |
20K00850
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
古賀 功 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (90528754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 勝幸 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (00636970)
山口 篤美 名城大学, 外国語学部, 講師 (10749469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 会話意欲 / WTC / 会話に対する自信 / コンピューターを介してのコミュニケーション / 対面でのコミュニケーション / コンピュータを介したコミュニケーション / 混合研究法 |
Outline of Research at the Start |
コミュニケーション能力の育成を考える上で、会話への意欲を示すwillingness to communicate(WTC)という概念は不可欠である。現在ではコンピュータを介したコミュニケーション(CMC)も主要な会話手段の1つであり、対面による口頭でのやり取りに限定されないため、CMCを介したコミュニケーションにおいてもWTCを考察する必要がある。よって本研究課題では、WTCが、CMCに応用可能なのか、WTCが対面による口頭とCMCでのパフォーマンスにどのように影響するのか、CMCにおいても、WTCが変化するのか、またどのような要因がその変化をもたらすのか、を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本の英語学習では英語を使用する機会も少なく、学習者も英語を積極的に話さない傾向にある。そこで、学習者の会話意欲(WTC)を向上させることは教育目標の1つであり、どのような要因がWTCに影響を与えるのか、どのような現象がWTCの高い・低い学習者のパフォーマンスに現れてくるかを調査することは重要である。23年度は22年度に収集したインタビューデータをより詳細に分析した。始めにWTCは会話要因と心理的要因によって向上していた。会話要因は①トピックについての背景知識、②共有されたトピック、③聞き手があまり知らないトピックを指し、心理的要因とは①会話を継続する責任と②会話を遂行できた達成感であった。反対に、話すことが尽きてしまった時や、理解ができなかった時にWTCは低下していた。WTCが高い学習者ほど、トピックをかえたり、相手がわからない際に言い換えたり、質問したりしていた。WTCが低かった学習者は質問もせず、ただうなずき、会話を成功させるために必要な行動もとらない傾向にあった。さらに、3点興味深いことが判明した。1点目は、聞くという行為である。これはオンラインでの会話で起こりやすく、同時に話し始めてしまったり、話すタイミングがわからず、相手が話し始めるのを待ってしまい、聞くという行為が増加してしまったことである。また、日本文化に特徴的なことであるが、相手が話している際には聞くことが重要であると考えるため、会話が一方通行になりやすく、参加者同士が協力して意味のある会話を構築しづらい。2点目は、わからない、間違える、ということが悪いことだと捉えるため、聞き直したり、明確化したりすることにためらいが生じてしまうことである。3点目は、学習者同士の会話状況では、話さなければならないという責任感が強く影響することである。以上が23年度に行った研究の成果で、これを基に2回学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は本学の英語科目部会全体の副委員長・英語科目部会瀬田の委員長になり、2025年度に向けたカリキュラム改革などの会議や新しい業務が増え、当初予想していたより業務量が増えてしまった結果、本研究課題の現在までの進捗状況はやや遅れてしまったと認識している。また、2023年度は研究分担者も学内・学外業務が増えてしまった結果、なかなか調査を進めることができなかった。しかし、2024年度は研究代表者と分担者の業務量が昨年度より軽減されたため、本年度中には課題を遂行できると考えられる。 2023年度には2つの調査を実施し、その調査を基に2024年6月に開催される学会で発表を予定しているので、現在分析や解釈を始めている。今後、発表予定の学会と投稿予定の学術誌を決め、そのスケジュールに沿って進めていく予定であり、さらに24年度中にもう一つ調査を行い、成果を公表できたらと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、2024年度の前期には2022年度に調査した研究をまとめ、執筆し論文を投稿する。同時に、まず2023年度に行った1つの研究成果を本年度6月に開催される学会で発表し、さらにもう1つの研究も分析を始める。この2つの研究は、当初から考えていたペアリングの効果を検証する研究になっており、新規のタスクを行った際と、慣れ親しんだタスクを行った際にWTCや動機づけなどの要因がタスクの遂行やコミュニケーションの行われ方に対して、どのような関連性が見られるかを検証するものである。 2024年度後期には、さらなるペアリングの効果(WTCの高い・低いペアがいかにタスクにおけるWTCを共同構築(co-construct)できるか)を検証し、加えて、当初から計画していた留学生と日本人学習者の会話におけるWTCの変動も検証したいと考えている。ただ、時間の制約もあるため、本課題ではどちらか1つの研究を実施し、今年度は発表・執筆を進めていく予定である。
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