Project/Area Number |
20K00958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
簗瀬 大輔 群馬県立女子大学, 群馬学センター, 教授 (90822924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 古墳の二次的利用 / 古墳の二次的あり方 / 文化的景観 / 古墳 / 古墳景観 / 古墳史料 / 領域認識 / 古墳の履歴書 / 遺跡認識学 / 総合資料学 / 村落領域論 / 地域学 |
Outline of Research at the Start |
古墳にはなぜ観音山・稲荷山・天神山のように神仏名を冠したものが多いのか。また、中世には寺院境内に取り込まれたり、陣所になったりすることもある。さらに、墳丘には薪炭林が造成され、里山の一部として用益されることもあれば、伝説や禁忌を伴った畏怖すべき場であることも少なくない。つまり、古墳は生後履歴をもつ生きた遺跡である。本研究はそのことを「古墳の履歴書プロジェクト」の名のもとに、古墳を歴史民俗資料として定義し直し、古墳が地域社会における生業・生活と一体となった文化的景観要素であるこを実証するものである。さらに、そうして構築された新しい地域資料の体系の立脚した地域学を構想するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は過去3年度に実施した古墳の履歴調査を集成し、古墳の二次的利用・二次的あり方を類型化した。その結果、本研究において古墳の二次的利用・二次的あり方の類型的理解として仮説的に前提としてきた次の4類型が、地域古墳(地域の中で活かされて古墳)に由来する文化的景観の意味と価値を捉える指標として有効であることが確認できた。 〈A類型:交通機能・地域拠点・生活拠点としての利用とあり方〉古墳を一里塚やランドマークのように交通施設として転用したりする場合、中世の城館の一部に転用したり、近代の軍事施設として利用されたり、火の見台を設置して防火・消防施設として機能しているような場合、墳丘を宅地や庭園に、石室を住居や物置などに利用しているような場合を言う。 〈B類型:生産手段・資源としての利用と利用〉墳丘上の森林を用益林として計画的に管理したり(古墳林)、草地や茅場として利用したり、さらに墳丘面を畑地や果樹園として再開発したり、周濠を水田・灌漑施設としての利用したりする場合を言う。石室を畜産施設として利用したり、作物や蚕種の貯蔵、醸造施設としての利用したりしている場合もある。古墳築造の資材である石材や土砂が土木資材として再利用される事例は実に多い。 〈C類型:公共的な場としての利用とあり方〉公共的な場とは、公衆に向けての記念・顕彰の場、開かれた公園や広場、名所や眺望・観光との関連付け、学校や公民館などの公共施設、天皇・皇室との関連付け、災害対応の場としての利用などがある。 〈D類型:象徴的・神聖的・異界的・境界的な場としての利用とあり方〉社殿・堂宇、供養塔、墓域、神話・伝説、祭礼の場として認識され機能している場合である。多くの場合、勧請された神仏の名が古墳名に反映されることになる。また、古墳だけでなく、石室も重要な構成要素となっており、「穴」にちなむ伝承や禁忌も多い。
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