Project/Area Number |
20K00959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鎌倉 佐保 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (60468824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 荘園 / 開発領主 / 院宮王臣家 |
Outline of Research at the Start |
奈良・平安時代から鎌倉時代の荘園形成の実態と土地所有の変容を明らかにするため、土地証文・荘園関係史料全体の把握と分析をおこない、それらがいつどのように作成され、継承され、新たな土地所有を生み出していったのか、土地所有の変容とどのように関連しているのかを明らかにし、土地所有の実態と、連続性・断続性を明らかにする。 今回の研究では特に、史料的制約によりあまり明らかになっていない11世紀段階の院宮王臣家領の展開や中下級貴族による開発の実態を解明し、また「開発領主」の存在形態と「開発領主」の由緒がどのように創出されていったにも注目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、(1)土地証文・荘園関係文書の作成・継承の実態解明のための基礎となる史料データベースを充実させ、個別荘園の文書の継承・伝来について分析を進めた。 また、(2)「開発領主」の由緒の形成を明らかにする作業として、関係史料となる大隅国島津荘関係史料の調査・分析、和泉国黒鳥村文書における平安期の開発関係史料の調査・分析、その他「開発領主」相承系図ほか系図類の調査・分析、その作成経緯をめぐる個別事例の分析をを進めた。 さらに(3)古代~中世荘園史の構築に向けて、今年度は特に摂関期の荘園形成と院政期の荘園形成の実態と形成原理の違いを明らかにするための作業を進めた。具体的には、紀伊国隅田荘・相賀荘、大和国栄山寺領について、現地調査と関係史料の分析をおこなった。隅田荘は10世紀に成立し万寿5年(1028)には不輸・不入権を得て領域型荘園となったが、もともと隅田村を基礎として成立した荘園で、領域認識は存在したものの明確な四至は設定されていなかった。12世紀に隅田荘の西に隣接して鳥羽院御願寺大伝法院領相賀荘が立荘されると、境に位置する妻谷をめぐり境相論が起こる。ここには10世紀に隅田村を基礎に成立した隅田荘と院権力により境を明確化して立荘された相賀荘との荘園形成原理の違い、村を基礎として成立した荘園と四至を設定して成立した荘園の性格の違いが見て取れる。このほか関連する事例とともに摂関期・院政期の荘園形成の実態解明に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
親の介護による研究時間の十分な確保が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度で終了予定であった当研究を一年延長した。それによりこれまでの遅延を解消し、予定通り研究を進めることができると考えている。
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