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近世中国官僚制と科挙に関する公文書並びに文物の日欧伝播とその影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K01015
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

大野 晃嗣  東北大学, 文学研究科, 教授 (50396412)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Keywords明清中国 / 官僚制 / イサーク・ティチングの日記 / 明代公文書 / 文書行政 / 明清官僚制度 / 科挙 / 公文書
Outline of Research at the Start

(1)ヨーロッパ、特にオランダ、イタリア、ドイツ、フランスを対象に、中国近世の「科挙」と「官僚制」(特に人事制度)に関する公文書・文物を中心に調査する。その上で、18,19世紀の西洋知識人が、これらの史料からどのような中国認識を得たのかを考察する。
(2)日本に現存する「科挙」「官僚制」に関する14世紀~17世紀の公文書・文物を調査・読解し、近世中国王朝の官僚制度とその運用実態を逆照射的に解明する。その上で、これらが17~19世紀の日本の支配階層・文人に与えた影響を考察する。
これらを土台に、中国の「科挙」「官僚制」が世界史上に与えた影響及び一次史料(文物・公文書等)が果たした役割を考察する。

Outline of Annual Research Achievements

本年度は、公務でワルシャワ大学を訪問した際に、先方の日本学科のアグネシカ・コズィラ教授、イヴォナ・コルジンスカナブロツカ教授と面談を持ち、同大学が所蔵する近世中国王朝の漢籍および文物について、多数の助言を受けることができた。滞在期間が短かったために、具体的な調査を実施するには至らなかったが、次回の訪問に際して、同大学の中国学の教員との研究交流の橋渡しを快諾していただき、これによって、今後の中央ヨーロッパにおける中国近世王朝の文物調査についての可能性を広げる収穫を得た。
また、12月には那覇市歴史博物館において琉球王朝の文物を調査し、特に官服に見られる中国王朝の影響について調査、写真撮影を実施し、いくつかの新たな発見をすることができた。
更に、これまで同様、18世紀オランダ東インド会社の遣清使節の代表として、北京を訪問したことで知られるイサーク・ティチングの日記の翻訳と注釈についても作業を進め、西洋人から見た清朝の姿について研究を深めた。特に旅行経路上の地名の比定においては、同行者であったファン・ブラームとド・ギーニュの残した記録資料、及び現存する地方志との比較対象が有効であり、その作業から彼らが極めて正確に地名を記録しているだけでなく、特にド・ギーニュの記録は現存する県志に匹敵する詳細さを有していることも判明した。加えて、官僚とその組織、また習俗・文物に対する、使節一行の観察は実にきめ細やかで、来華する以前から、高い水準で近世中国王朝の情報を仕入れていたことが、これまで以上に詳しくわかるようになった。一方で、彼らが聞き取った地名の微妙な音の差異が何を意味するのか、新たな疑問も生じている。この成果については、「ティッチングの日記翻訳における二三の報告」と題して研究報告を行い、松方冬子(東京大学)、森田由紀、大東敬典(東京大学)をはじめとする諸先生から助言を仰ぐことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度から計画していたローマ・ラ・サピエンツァ大学での調査は、直前に家庭の事情から渡航がかなわなくなった。このこともあって、コロナで遅れていた計画の進捗を取り戻すには至っていない。また円安の影響もあって、ヨーロッパでの調査計画を複数用意することが困難となりつつあることも理由としてあげられる。

Strategy for Future Research Activity

コロナによる遅れを完全に取り戻すのは難しく、また現在の円安の状況では長期間にわたる滞在調査も困難となりつつある。また、先にも述べたローマでの調査を行えなかったこともあり、計画を一年間延長し、残された時間内で最大限の成果をあげる努力をしたい。特に、1,ヴェネツィア・カフォスカリ大学に訪問し、先方の中国学の教員と研究協力をすること、2,経費の負担が小さい台湾、韓国などにおいて、明清公文書などの一次史料を調査すること、3,那覇市歴史博物館など、国内の所蔵機関での一次資料・文物の調査を行うこと、4,イサーク・ティチングの日記の翻訳と注釈を継続し、西洋人による中国像についての根拠について考察を深めること、などを確実に実行し、本申請内容を締めくくりたい。同時に、この申請内容の遂行によって、すでに新たな問題を見つけることもできたので、新年度に向けて科研費を申請し、本課題の研究を継続する予定である。

Report

(4 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2021 2020

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] ティッチングの日記翻訳における二三の報告2023

    • Author(s)
      大野晃嗣
    • Organizer
      「本所所蔵在外日本関係史料の多角的利用のための翻訳研究」研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 明代公文書に関する二つの報告2023

    • Author(s)
      大野晃嗣
    • Organizer
      「中世日本往復外交文書の古文書学的研究-明清・朝鮮公文書研究の一環として-」第一回研究会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] 清朝の八旗と緑営-ティチングの日記の理解のために-2021

    • Author(s)
      大野晃嗣
    • Organizer
      「18世紀オランダ東インド会社の遣清使節日記の翻訳と研究」研究会
    • Related Report
      2021 Research-status Report
  • [Presentation] 清朝の官僚機構-ティチングの日記と乾隆朝-2020

    • Author(s)
      大野晃嗣
    • Organizer
      「18世紀オランダ東インド会社の遣清使節日記の翻訳と研究」研究会
    • Related Report
      2020 Research-status Report

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Published: 2020-04-28   Modified: 2024-12-25  

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