Project/Area Number |
20K01047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
比佐 篤 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (50770492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 古代ローマ史 / ローマの貨幣 / ヘレニズム世界の貨幣 / 古代ローマ / 貨幣 / アイデンティティ |
Outline of Research at the Start |
東地中海世界の諸都市にて造幣された貨幣の考証を通じて、当該地域におけるヘレニズム期からローマ元首政期に至るローカル・アイデンティティの長期的な変容過程を明らかにする。これによって、権威と服従というメンタリティを貨幣の図像の変容という従来とは異なる観点から確認し、ヘレニズム諸王国とローマの支配に至る長期的な変容の構造を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、初代皇帝アウグストゥス後のユリウス・クラウディウス朝に加えてそれ以後の貨幣の図像の特徴についても、紫織調査を中心に行った。 東地中海の諸都市の貨幣では、各都市にゆかりのある神々や事物が描かれていたが、ヘレニズム時代には諸王家を顕彰する意図をもって描かれた図像を伴う貨幣が増え、アウグストゥス帝期になると、皇帝に関わる図像が急激に増加する。アウグストゥス没後にも、こうした状況は続いていく。 それと同時に、各都市の有力者に関わる事物が描かれるようになり、その人物の名前さえ確認できる事例が見られるようになる事例が、急速に増加していく状況を確認できた。ローマによる支配が確固たるものになるにしたがって、ヘレニズム期のような常に戦乱が生じている不安定な状況が遠い過去のものになっていったという歴史的状況が、貨幣の図像の選択にも映し出されていると見て取れる。それまでならば自分たちを従属させている上位者の心情を害しないようにする慎重さが必要だったのとは異なり、一定の配慮は必要であるものの、必ずしも上位者への顕彰をそこまで強く意識しなくなるようになったわけである。だからこそ、ローマの支配下において自治を任されていた各地の有力者は、自らのアイデンティティを訴えるべく、貨幣を通じた自身の顕示をより積極的に行うようになったと言える。 このように、ユリウス・クラウディウス朝期における東地中海の諸都市の貨幣の図像の選択は、現地におけるローマの支配の受容とその安定が、急速に進んでいたことを実証する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ローマの支配下における各都市の貨幣の状況の変化の様相が、かなりヴァラエティに富んでいたため、個々の都市の様相まとめるのに時間がかかってしまい、予測していたよりも検証が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を踏まえ、東地中海における貨幣の図像に関して、ヘレニズム期以前、ヘレニズム期、アウグストゥス帝期、ユリウス・クラウディウス朝期の長期的な変遷を包括的にまとめてみたい。
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