Project/Area Number |
20K01077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
新里 亮人 熊本大学, 埋蔵文化財調査センター, 助教 (20849319)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 琉球列島 / 農耕伝播 / 土器圧痕調査 / 舶来食器類 / 在地土器 / 農耕 / 穀類圧痕 / 炭化穀類 / 食器類 |
Outline of Research at the Start |
琉球列島では12世紀前後のグスク時代に農耕が普及したとされるが、近年、奄美群島の喜界島ではそれよりも古い炭化穀類が発見されており、これらに九州島・中国大陸・朝鮮半島産の舶来食器類が伴う事例が確認されている。このことから琉球列島の農耕は九州島を含む北から伝播した可能性が考えられる。他方、奄美・沖縄とは異文化圏にあった先島諸島では、近隣の南中国から農耕が導入される可能性も否定できない。本研究は10世紀前後の栽培植物と食器類の探索から琉球列島における農耕の伝播時期と経路を特定し、農耕の受容(10・11世紀)、普及と定着(11・12世紀)、展開(13・14世紀)という歴史過程の復元を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、沖縄県立埋蔵文化財センターにて昨年度調査を行なった沖縄本島熱田貝塚、同島平敷屋トゥバル遺跡、石垣島新里村遺跡の出土土器から植物圧痕を残す土器を再度ピックアップし、シリコンゴムによる圧痕レプリカを作成した。また、鹿児島県喜界町、知名町、和泊町および沖縄本島名護市、豊見城市、与那原町にて遺跡出土土器の圧痕調査を実施した。 これら調査の結果、沖縄本島熱田貝塚にてアワ、同島久志貝塚にてイネ、同島平良原遺跡にてムギ類、石垣島新里村遺跡にてアワ、コムギ、喜界島大ウフ遺跡にてイネ、ムギ類、子ハネ遺跡にてムギ類と推定される土器の圧痕資料を確認し、作成した圧痕レプリカは持ち帰って、学内に保管している。 また、喜界島提り遺跡にて確認された初期貿易陶磁器について実測を行ない、研究協力者と共に産地および出土事例の検討を行なった。 今年度における研究成果の一部については、徳之島町誌編纂委員会(編)2023『徳之島町史通史編Ⅰ 先史・古代・中世・近世』南方新社にて公表し、下記講演会にて口頭発表を行なった。新里亮人 「グスク時代から琉球国の時代へ」『徳之島のいろは第2回ダイナミック!南の島々の歴史』(期日:2023年9月9日(土) 13:00~15:00、場所:伊仙町交流ひろばほーらい館
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査の対象とした各遺跡出土の土器から圧痕が検出され、安定的な分析資料が獲得できており、圧痕の鑑定が完了し次第、成果を論文にて公表できる状況にある。 ただし、8月に実施した沖縄本島における調査では台風6号の接近に伴い、調査参加者全員が旅程に大きな影響を受け、旅費の大きな加算が生じた。そのため、予定していた調査が計画通りに実施ができなかったため、調査の対象遺跡については次年度中に補完調査を実施せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確認した穀類圧痕を留めた土器については、論文公表に向けた各種記録を行なう必要がある。そのため、再度資料の収蔵施設を訪問し、土器の実測、圧痕の顕微鏡写真撮影、土器の型式認定作業を実施する必要がある。また圧痕のレプリカについては、走査電子顕微鏡を用いた観察および同定作業を要する。
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