人類史における国家形成プロセスの解明にむけた実証体系の基盤構築
Project/Area Number |
20K01092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
有松 唯 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (60732112)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | イラン / 青銅器時代 / 中央アジア / 土器編年 / 土器製作 / 国家形成 / 鉄器時代 / 文化伝統 / 古代ペルシャ / 古代国家 / 社会進化 / 二次国家形成 / 広島大学イラン学術調査隊 / 都市形成 / 発展経路 / 文明 / 西アジア / 考古学 |
Outline of Research at the Start |
古代国家の成立プロセス解明にむけ、古代西アジアを統合したアケメネス朝ペルシャをケーススタディとし、形成過程において当時の地域社会に何が起こっていたのか、実証研究の基礎となる資料・データ群を構築する。そのために、イラン・イスラム共和国での遺跡発掘調査と、広島大学に所蔵されている考古資料のデータ化ならびに分析を行う。それらの成果に基づき、当時の生活様式や生業、身分秩序の変化を総合的に解明する。その上で、国家形成期における社会変化の画期を抽出し、その史的評価を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究計画に沿ってイランでの現地調査を進め、北東部における青銅器時代の新規データを獲得することができた。Menjaq Tepe 2遺跡出土土器資料はイラン北東部における青銅器時代初期物質文化の変遷を細分し得る層序データをともなっていると考えられる。共伴する年代測定用試料の測定結果とあわせて、当地における新たな編年指標を提示できる成果であると考える。また、イラン北東部青銅器時代の典型的な土器と、これまでは共伴が認められなかった周辺地域の土器とが共伴する様子を確認することができた。おそらく、イラン中央部や中央アジアに由来する土器が含まれる。さらなる分析により、当該期の地域間交流の解明や広域編年の構築に貢献し得ると考えられる。イラン北東部に典型的な暗色磨研土器については、編年に加え、焼成状態の異なる同種の土器が検出できた。他の遺跡では未報告の様相である。当遺跡で製作している可能性が指摘できる。当遺跡からは燃料と目される多量の木炭、また高温で燃焼されたと考えられる遺構も検出されている。これらを合わせて分析することで、解明が行われていない同種の土器の製作技法、また製作地について、新たな知見をもたらし得ると考えられる。当遺跡は、ステップ地帯や山岳地帯、砂漠地帯、それぞれの縁辺部に位置する。出土した自然遺物の分析とあわせて、これまでほとんど着目されてこなかった当地の資源活用についても端緒となるデータを提示できるだろう。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)