Project/Area Number |
20K01098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
武末 純一 福岡大学, 公私立大学の部局等, 研究特任教授 (80248533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
村田 裕一 山口大学, 人文学部, 准教授 (70263746)
古澤 義久 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40880711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 石硯・研石 / 弥生時代・古墳時代 / 製作技法・使用痕 / 砥石 / 石質 / 海村 / 天秤権・棹秤権 / 出土状況 / 使用痕跡 / 十進法 / 楽浪土器 / 長方形板状砥石 |
Outline of Research at the Start |
研究代表者がこれまで進めてきた日韓の弥生時代文字使用に関わる研究の総括と、古墳時代の石硯・研石研究の開拓が目的である。墨を磨るための石硯・研石と様々な器物を砥ぐ砥石との弁別が主目的で、中国大陸の類例との比較や、砥石研究者・地質学研究者による使用痕や石材の検討によって基準を明確に定め、確実な石硯・研石を摘出する。また、弥生・古墳時代の海村を中心とした交易での中国銭貨の使用や重さを量るおもりである天秤権・棹秤権の使用、楽浪土器の様相を含めて、日韓の弥生時代~古墳時代中期の文字使用の実態に迫り、10進法の存在も明らかにする。また、韓国の考古学研究者との共同研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度もコロナ禍で資料調査が円滑にはできず、韓国からの研究員も招聘できなかった。 研究活動は天理市布留遺跡や福岡市西新町遺跡の石硯・研石候補資料を調査する中で、大きく進展した。先ず、8月22日に武末、村田、足立、古澤の4名が九州歴史資料館で、ここ5年ほどで石硯・研石候補資料が急激に増加する出発点であり、提唱者の認定基準を形成した資料でもある福岡県教委発掘の西新町遺跡出土資料を調査した際に、それらが出土遺構や層位、製作技法や使用痕跡、石質などから見て、近世の砥石であって古墳時代の石硯ではないと気づいた。そこで古澤は10月17日に福岡市内の天然砥石販売店で聞き取り調査を実施して、この石質の砥石は高価な仕上げ砥石で極端に薄くなるまで使用し、破損防止のために板に貼り付け、角を落とし、昔は側面に漆を塗ったなどの情報を得た。10月31日に武末・古澤は北九州市埋蔵文化財調査室で小倉城下町で出た近世の砥石を調査して西新町遺跡例との共通性を確認するとともに、6月に調査していた天理市布留遺跡出土の古墳時代石硯候補品の中に、旧小倉市内の近代遺構で出た明治時代の石盤と酷似する資料があることに気づいた。11月には福岡城下町出土の近世砥石の調査や九州歴史資料館での再確認調査を実施した。その結果も踏まえて、11月26日の令和4年度九州考古学会総会で4人連名で成果を発表し、『古文化談叢』第88集に論文として公表して、これまで西新町遺跡例を基に提唱された石硯・研石候補資料は全面的に見直すべきであると述べた。2月には布留遺跡資料を再度実見して石盤を含むことを再確認した。武末は3月に韓国国立中央博物館で楽浪郡関係の石硯・研石を調査して、使用痕は縦方向であることを再確認した。 弥生時代の権では、武末に熊本県年の神遺跡で出た円筒権の調査依頼が来て、福岡市今宿五郎江遺跡の候補品の存在も判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究では2018年以降に提唱されている石硯・研石候補資料を実際に観察・実測して、その際には研究代表者・研究分担者が一緒に使用痕や石質を検討することが一番大事だが、昨年度に引き続いて、コロナ禍による国立大学の出張規制などがなお厳しくて予定した調査の半分ほどしかできず研究が遅れる原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は九州だけでなく、島根県をはじめ、九州外の石硯・研石候補資料の調査も、研究代表者・研究分担者が一堂に会して実施する。韓国からも研究者を招聘する。また、適宜検討会を実施するとともに、上半期には成果を学会や研究会で報告し、それらの議論も踏まえて、本年度末には最終報告書を刊行する。
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Report
(3 results)
Research Products
(34 results)