Project/Area Number |
20K01175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
宮崎 良美 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 協力研究員 (00612334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 条里 / 条里地割 / 土地開発 / 大和国 / 越前国 / 近江国 / H-GIS / Historical GIS / 奈良盆地 |
Outline of Research at the Start |
古代から中世における日本列島の開発の実態解明にアプローチするために、条里地割の施工に関してGISを活用した分析を試みる。 従来、条里研究は平野や盆地という広域において条里の基礎的単位となる坪、つまり1辺約109m程度の小区画群の分析が必要であるが、GISを利用することで簡便となる。 本研究は、現在も条里地割が遺存し、かつ古代に宮都が置かれた奈良盆地、当時の周縁地域である北陸、中間に位置する近江を対象に、条里坪区画の計量的分析を行い、その結果について、土地開発に関わる地形、道、郡界、荘園、水利等と総合的に検討し、条里施工の展開について手がかりを得ようとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に次の通り研究を進めた。 1.研究対象地である、福井平野、湖東平野、奈良盆地の条里界線と坪界線の企画や方位等について分析を行った。当該地域の条里研究成果に照らし、検証を進めている。 2.上記の分析結果について検討を深めるため、日本列島の条里遺構の分布や、各地の条里研究の成果等を、その規格や施工単位、年代等に注目して整理している。このなかで、表層地割と異なる規格で施工された埋没条里が検出されている静岡平野や、駿河国・伊豆国の国境が通り、これを境に条里の方位等が大きく異なる田方平野、北九州と畿内の中間にある、山陽地方のうち、条里と国府遺跡の関係等について論考があり、発掘調査も行われている山口県防府市の国府地域やその周辺など、研究上関心が持たれた地域や、条里遺構が遺存する地域について踏査も行った。 3.奈良盆地については、条里施工による耕地開発の展開等について検討する資料とするため、灌漑水利に関わる資料等を収集している。GISアプリケーション上で条里界線や地名データ、条里関連史料の記載内容等と重ね合わせて、関連などを検討できるように、農業用ため池や水路などのデータ化を進めている。 全国には洪水等により条里が埋没して再施工されなかったとされる地域や、谷底平野などに数町程度の小条里が散在する地域もある。各地の、条里による開発から近代に至るまでの地割の継続について、地形条件だけでなく、土地所有などの社会的な側面からもアプローチができないか、明治期の土地台帳と地籍図などから検討を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国土数値情報など、地形や農地に関わる資料のデジタル・GISデータファイルの公開が進み、これらを活用することで効率化を図れているが、資料収集や現地調査では、感染症対策のため資料館等の利用制限があったこと等により、初年度以降の遅れを十分に取り戻せているとは言いがたい。新型コロナ感染症の5類移行に伴い、調査の遅れ等を挽回したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、福井平野、湖東平野、奈良盆地を対象に、条里地割の規格や施工単位等についての分析を進めるとともに、日本列島各地の条里の分布や施工に関わる知見もふまえて、研究の総括を行う。本研究期間では、現在の地表面に遺存した条里地割について分析しているが、各地の埋没条里や再施工の事例等も考慮すべきである。これについて、条里による開発後の土地利用や水害、村落における土地の所有や管理等も視野に入れて、地割の存続の要因についても分析ができないか検討したい。 条里研究の資料は、景観復原的研究等でも基礎資料として利用されるものであるが、小字や地名、水利図などは、耕地1筆ずつを単位としたレコードが広域にわたって存在するため、膨大なレコード数となり、活用のハードルとなっている。これらがデジタル化やHistorical GISデータベース化されることで、新たな研究を推し進める可能性があるが、荘園史料等のテキストデータベースをのぞけば、GISデータベースやデジタル化が進んでいるとはいいにくい状況である。そのため、本研究で作成したGISデータは広く活用をはかるために、奈良女子大学古代学・聖地学研究センターで運用するGISのデータベース「奈良盆地歴史地理データベース」のサブデータベースとして公開できるよう準備を進めていく。 また、景観復原的研究のための資料は地域の歴史的・文化的遺産でもあり、そのGISデータベースは、歴史的・文化的遺産のデジタルアーカイブやデジタル歴史アトラスとして、文化や教育の面でも活用されることが望ましい。近年GISアプリケーションが普及し、手軽に利用できるようになっているため、自治体や教育委員会の文化財や地域資料のアーカイブの現状等もふまえ、HistoricalGISを用いた地域資料の活用についても検討していきたい。
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