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Anthropological Research on Violence and anti-Violence Effort in the United States

Research Project

Project/Area Number 20K01195
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
Research InstitutionTama Art University

Principal Investigator

中村 寛  多摩美術大学, 美術学部, 教授 (50512737)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Keywords暴力 / 脱暴力 / 反暴力 / 国境地帯 / 文化人類学 / 反暴力・脱暴力 / 周縁 / ソーシャル・デザイン / 人類学 / 文化表現 / 価値生成 / 社会的痛苦
Outline of Research at the Start

本研究は、暴力のメカニズムを明らかにし、反暴力や脱暴力の試みを探る人類学的研究である。アメリカ社会の「周縁」に焦点を当て、そこで経験される暴力や社会的痛苦の様態と、それに向き合う際にあらわれる芸術・文化表現や社会・文化的取り組みのあり方を明らかにする。暴力への抵抗のあり方、反・脱暴力の思想や取り組み、和解なき社会的痛苦との折り合いのつけ方、差別や抑圧のなかでの実践を明らかにするのが目的である。この目的の達成は、現在の日本社会において、マイノリティを含むかたちで多文化共生に向けた取り組みや理論的基盤を用意し、暴力や痛みに関する対話の場を構築・整備をする際に、重要な参照軸を提示することができる。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は2022年度の研究成果を念頭に、引き続き国境をめぐる状況をメディア報道などによって観察すると同時に、国境地帯のフィールドワークを行った。前年のフィールドワークでは、メキシコ湾河口の町ブランズヴィルからはじめ、国境付近を移動しエルパソまでをカヴァーした。2023年度は、サンディエゴからティフアナにわたり、海岸沿いの国境フェンス周辺の文化を観察することからはじめ、テカテ、カリクシコ/メヒカリ、ユマ、アホ、ホワイ、ルークヴィル、ツーソン、ノガレス、ダグラス、ラス・パロマスなどに立ち寄りながらエルパソまで移動した。その間、できるだけ車を止め、歩くこと、写真を撮ること、ローカルのショップやレストラン、カフェ等に立ち寄り、人びとと会話的インタビューすることを試みた。観察とインタビューを展開するうえで念頭においていた問いは以下の通りである。
①ボーダータウ ンではどのような社会的営みがあるか。どのようにビジネスが発達し、どのような文化的特徴があるか。どのような歴史的展開の上に今の町が成り立っているのか。 ②ボーダータウンに暮らす人々は、国境をどのように捉えているか。近年になってフェンスが拡張されたり高くなったりするなかで、その変化をどのように捉えているか。 ③国境を越えた人々の行き来はどのような形で行われるのか。そこに観察される生活に根付いた感触ないし感覚はどのようなものだろうか。 ④以上の問いを集約させたときに、ボーダータウンにあらわれる特徴とはどのようなものか。その特徴は、いかなる環境、地政学、歴史、社会・文化の諸力のなかに形成されるか。
たびたび緊張関係が報じられるアメリカ/メキシコの国境地帯をすべてカヴァーすることができたため、環境的条件、地政学的条件、歴史的背景、社会・文化的文脈を包括的に把握することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍でフィールドワークに行けなかった時期が続いたのが、現在にも影響している。大幅に遅れてのスタートだったが、現在ではかなり当初の計画の軌道に近づいてきている。2022年度の後半にフィールドワークを再開できたのだが、本年度のフィールドワークと合わせての2回の現地調査で、アメリカ/メキシコ国境地帯の全域をカバーすることができた。計画上は、アメリカ/カナダの国境地帯と、プエルトリコへのフィールドワークが残っているため、2024年度でできるかぎりのフィールドワークを行いたい。

Strategy for Future Research Activity

上記の通り、最終年度ではあるが、コロナ禍の延期期間があったため、おおきく2地域のフィールドワークが未遂行の状態で残っている。2024年度は、したがって、少なくともアメリカ/カナダの国境地帯へのフィールドワークを実施する。そのうえで、余力があれば、 プエルトリコへのフィールドワークも行いたい。だが、場合によっては、プエルトリコへのフィールドワークを断念し、アメリカ/カナダの国境地帯に集中することも考える。
また、現時点では、マスメディア等で報道される国境をめぐる状況と、フィールドワークでの観察から得られる知見とのあいだにかなりの落差がある。その差分がどのようにして生じるのかをさまざまな角度から検討したい。そのためにも、国境地帯の事象に詳しい村田勝幸氏や越川芳明氏との対話も行いたい。場合によっては、事情に詳しいジャーナリストとの対話も企画する。
さらに、最終年度であることを鑑み、2024年度内に研究成果をとりまとめ、2025年度にかけて、アメリカ学会や文化人類学会での口頭発表、およびウェブ上でのレポートなどを通じて、研究成果をひろく社会に還元していく予定である。

Report

(4 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • Research Products

    (12 results)

All 2023 2022 2021 2020

All Journal Article (5 results) Presentation (2 results) Book (5 results)

  • [Journal Article] 「ストリートのフィールドワークからデザイン人類学の実践へ」2023

    • Author(s)
      中村寛
    • Journal Title

      『トイビト あのときのフィールドノート』

      Volume: 0 Pages: 0-0

    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Journal Article] 「すべてのデザイナーのかたわらに人類学者を――人類学者・中村寛【連載:デザインと人類学のフィールドノート】」2023

    • Author(s)
      中村寛
    • Journal Title

      『Designing』

      Volume: 0 Pages: 0-0

    • Related Report
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  • [Journal Article] 「『残響のハーレム』と「あいだ」をめぐる問いかけ」2022

    • Author(s)
      中村寛(インタビュー・文字 奥村健太郎)
    • Journal Title

      Sub Rosa

      Volume: 0 Pages: 0-0

    • Related Report
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  • [Journal Article] 「『アメリカの〈周縁〉をあるく──旅する人類学』と「あいだ」をめぐる問いかけ」2022

    • Author(s)
      中村寛(インタビュー・文字 奥村健太郎)
    • Journal Title

      Sub Rosa

      Volume: 0 Pages: 0-0

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  • [Journal Article] 殺される《叫び》のためにーー危機と破局のネクロポリティクス2020

    • Author(s)
      中村寛
    • Journal Title

      現代思想

      Volume: 48 (11) Pages: 139-144

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  • [Presentation] 「デザイン人類学の実践に向けてーーグッドデザイン賞のフィールドワークから」2022

    • Author(s)
      中村寛
    • Organizer
      文化人類学会第56回研究大会
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  • [Presentation] デザイン人類学の実践に向けて――グッドデザイン賞のフィールドワークから2022

    • Author(s)
      中村寛
    • Organizer
      日本文化人類学会
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  • [Book] 中村寛「第7章 ニューヨーク・ハーレムのストリートから――ふれる・まじわる・かんずる,そしてかんがえる」新原道信編著『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』2022

    • Author(s)
      新原道信、中村寛ほか
    • Total Pages
      303
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
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  • [Book] 越境するファッション・スタディーズ――これからファッションを研究したい人のために(うち「7章 ファッションが世界をつくりなおすとき――ヒップホップやストリート文化にみる衣服と身体所作」を担当)2022

    • Author(s)
      高木陽子・高馬京子編著
    • Total Pages
      208
    • Publisher
      ナカニシヤ出版
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  • [Book] アメリカの〈周縁〉をあるく――旅する人類学2021

    • Author(s)
      中村寛
    • Total Pages
      360
    • Publisher
      平凡社
    • ISBN
      4582838731
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  • [Book] アメリカの周縁をあるく(2021年7月刊行予定)2021

    • Author(s)
      中村寛
    • Publisher
      平凡社
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      2020 Research-status Report
  • [Book] 『グローバル・スタディーズの挑戦――クリティカルに、ラディカルに』(「暴力、文化表現、ソーシャル・デザイン――グローバル・スタディーズと人類学」を執筆)2021

    • Author(s)
      足羽與志子、ジョナサン・ルイス編著
    • Total Pages
      336
    • Publisher
      彩流社
    • ISBN
      9784779127519
    • Related Report
      2020 Research-status Report

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Published: 2020-04-28   Modified: 2024-12-25  

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