Historical Reconstruction and Changing Process of the Taiwan Plain Aboriginal Groups of Taiwan
Project/Area Number |
20K01197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 純 日本大学, 経済学部, 特任教授 (30192610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | クヴァラン族 / 命名慣行 / 連名 / 台湾原住民 / 平埔族 / 台湾 / クヴァラン / 社会組織 / 歴史記録 / 戸口調査簿 / 命名慣習 / 社会人類学 / 歴史史料 / フィールドワーク |
Outline of Research at the Start |
平埔族の伝統社会を理解するためには同時代的フィールドワークだけでは十分ではなく、歴史的史料の解析が必要である。近年、オランダではオランダ東インド会社(VOC)の手書き記録の活字化が進み、1990年~2010年には台湾に関するVOCの記録が抜粋・編集され、オランダ古語と英語の対訳本が刊行された。本件空はこれらの資料をはじめ、清朝時代の古文書や日本統治時代の戸籍資料を十分に利用し、17世紀以後現代に到る変遷をとらえながら平埔族の家族・親族・婚姻・社会組織・政治権威に関する考察を行う。そして現代台湾の多民族社会における民族運動に関する人類学研究に向けて、平埔族社会の実像を実証的に示したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、台湾の原住民族特に漢化の進んだ平埔族の過去の社会を社会人類学的観点から再構成するため、過去と現在の記録を蓄積し、分析することで、これまであまり研究対象とされてこなかった平埔族社会の親族や社会構造などについて取り上げている。2023年1月から2月にかけて台湾調査を行った。この際、特にクヴァラン族の名前について、これまでの研究の補足的調査を行った。このテーマでは、民族固有の命名慣行と親族関係の特徴との関連を考察対象としている。クヴァラン族の命名慣行についてはこれまでに若干の研究が行われており、連名制の有無についての考察では、すでに私自身の調査によって結論を得ているが、コロナ直前の調査時に調べられなかった事実について補充調査を行った。 2022年中は夏季休暇に台湾調査を予定していたが、感染拡大で渡航ができず、代わりに文献研究を中心に行った。台湾で行った補充調査では、固有の命名慣行とその基本法則についての確認のためのデータ収集を進め、台湾の戸籍登録における姓名登録方法の変更という制度変容の影響下での原住民名の復活に関わる最新のクヴァランの名前の動向について知見を得た。 さらにクヴァラン族の名前の歴史的変遷についての分析を行うにあたり、これらの知見に加え、オランダ資料・清代の文書資料・日本統治時代の戸籍資料・戦後の資料を利用して、データを集め、資料の分析を行っている。また、過去のフィールドノートからの儀礼の歌の抽出とその中の名前の分析を進めており、儀礼の場での神や祖先への名前の呼びかけの慣行について、連名がどの程度固有習俗の中に取り入れられているのか考察を行っており、2023年度に論文を執筆する予定である。 また、鳥居龍藏の研究した台湾原住民社会についての研究を行うため、徳島県立鳥居龍蔵記念博物館を訪問し、シンポジウムに参加し、博物館の考古学・人類学の所属資料を参観した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年中は夏季休暇に台湾調査を予定していたが、感染拡大で渡航ができず、代わりに文献研究を中心に行った。台湾で行った補充調査では、体調を崩して調査に出かけるのが遅くなり、命名慣行のフィールドワークに割いた日数が少なかったため、調査データも十分ではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、17世紀以後現代に到る変遷をふまえた家族・親族・婚姻・社会組織・政治権威に関する考察を行う。命名慣行と親族関係とのかかわりについて考察をさらに進めるためは、近隣の平埔族バサイとの比較が必要であり、オランダ資料の研究を行う必要がある。バサイ系民族に関しては、同じバサイ系言語のトルビアワン族とクヴァラン族の関係を含め、オランダ資料中の社会構造について、クヴァランとは明らかに異なる特徴があること、そのことと生業形態の違いとのかかわりにも注目する必要がある。17世紀の東海岸では、卑南平原のプユマ族が、権力の集中傾向があり、相当程度の軍事力を持っていたのに対し、クヴァランは村内に複数の有力者がありながら、政治的ヒエラルキーや村落を超える軍事組織が形成された形跡はない。それに対してバサイ系のトルビアワンは、社会的権威の在り方がクヴァランを異なり、村落のリーダーの政治的権威がある程度大きく、リーダーによる取りまとめがなされていたことが、オランダ人の金鉱捜しの報告記録に見られる。この点について資料の読み込みを行い、その社会構造の特徴をさらに掘り下げつつ、社会構造の民族間の差について検討を行う予定である。 また、西部平原地域の平埔族の親族関係と命名慣行の関係については、シラヤ系タイヴォアン族世帯の戸籍の分析を行う予定であるが、取得資料が大量に存在し、資料分析には相当程度の時間がかかることが予想されるため、最初に抽出した家族に関する分析を行って、家族関係・親族関係の特徴を把握することから始める。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)