Sustainable Use of South American Camelids and Indigenous Traditional Knowledge in the Andean Pastoralist Society
Project/Area Number |
20K01204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
|
Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
鳥塚 あゆち 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70779818)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | ペルー共和国 / 牧民共同体 / アルパカ / 有色毛回復 / 繊維企業 / 家畜と牧民の関係 / リャマ / アンデス / 南米ラクダ科動物 / 牧草地利用 / 制度と慣習の間 / 文化人類学 / 先住民の知 / 持続可能性 |
Outline of Research at the Start |
アンデス牧民社会では国際獣毛市場の需要に対応し、1990年代後半に家畜、とくにアルパカを白色単色毛をもつ個体へと改良した。しかし、近年では生物資源の持続的利用の観点から多様な色を持つ有色個体の回復が見直されている。本研究では、この新たな要求に対し、人びとは何をどのように選択して自らの社会を展開させてゆくのかを、牧民の在来知・伝統知と併せて考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ペルー南部高地の牧民共同体の事例から、南米ラクダ科動物の持続的利用の可能性と、外部からもたらされる変化に対する共同体の人びとの選択の動態を明らかにすることを目的としている。 2022年度は、予定していたクスコ県の牧民共同体でのフィールドワークと、アレキパ市に本拠地を置くアルパカ繊維企業でのインタビュー調査を実施した。補足的に、クスコ市のアルパカ毛販売店と政府機関関係者にも、アルパカ毛流通や品質改良に関する聞き取りを行った。おもな成果は以下の通りである。 1)牧民共同体では、家畜の品質改良の進展、有色個体所有の現状、家畜と人の関係に焦点を当てて聞き取りした。調査範囲は限定的であったが、一部の成員がアルパカの有色個体を再導入していること、工芸品製作者に有色毛販売を開始したことを確認した。2)クスコ州行政機関所属の技術者へのインタビューでは、有色個体回復に対する政府からの本格的な支援はまだなく、生産者である牧民への品質改良支援は白色個体を対象に継続しているとのことだった。有色毛では品質等において課題があることもわかった。3)繊維企業では獣医師にインタビューを行った。アルパカ毛市場においては依然として白色毛が量・価格ともに優勢であること、大規模繊維企業がアンデス高地の一部の地域でアソシエーションを組織し、生産者支援を行っていることが明らかとなった。 ここまでの本研究課題の成果公開として、アンデス牧民・家畜・自然との関わりについて執筆した論文が学会の記念出版物の1章として刊行された。その内容を中心とした口頭発表も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行の影響により2年間断念していたペルー共和国での現地調査を実施することができ、情報収集が進展した。牧民共同体での調査からは、研究開始当初に予想していたアルパカの有色個体回復の傾向を確認できた。繊維企業でのインタビュー調査では次期調査の具体的な課題が明確になり、短期間での調査ではあったが、ある程度の成果を得ることができた。 しかしながら、本来の計画より全体的に遅れが見られ、現地で開催する予定だったワークショップを計画する目途が立っていないことから、「やや遅れている」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、8月と3月に二度、ペルーでの現地調査を実施する。調査は共同体を中心に行い、牧民の在来知の継承に焦点を当てる。とくに、ラクダ科動物の品質改良と有色個体回復の現状について参与観察を行うとともに、毛色の多様性や家畜に対する価値基準の変化についても聞き取りを行う。また、繊維企業を対象とした調査では、2022年度の渡航で新たに知り合った企業関係者の協力により、企業所有の牧場や工場見学も行える見通しである。 4年目に計画していたラクダ科動物改良に関するワークショップは開催が難しいことから、翌年度以降に実施できるよう、ペルーの技術者・生産者と話し合いを進める予定である。また、日本の繊維企業およびアルパカ毛を扱う個人経営者に対するインタビュー調査が遅れているため、積極的にコンタクトを取って情報収集の遅れを取り戻したい。 南米ラクダ科動物の遺伝学的研究や獣毛の染色に関する論文・文献、関連機関が公開しているプロジェクト成果物等の資料収集は継続して行う。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)