Project/Area Number |
20K01219
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高橋 そよ 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (60772829)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | サンゴ礁漁撈文化 / 民具 / 漁具 / コミュニティアーカイブ / 協働 / サンゴ礁 / 資源利用 / 琉球弧 / 生物文化多様性 / 生態人類学 / 環境民俗学 / 漁撈 / 総合資料学 / アクション・リサーチ / 環境史 / 生業 / 沖縄 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は琉球弧において重要な生業(なりわい)であるサンゴ礁漁撈文化と生業経済の変容を解明するものである。歴史生態学的アプローチによる漁具の資料学的分析から、島嶼コミュニティが経験してきた環境史を構築し、人々はどのようにサンゴ礁と向き合い、社会的動態を乗り越えようと工夫してきたのかを考察する。そして、琉球弧における生物文化多様性を探求する基礎的研究として、社会経済的動態への人々の対応の地域差(個別性)と普遍性(一般性)の成因と条件を実証的に解明する。現代沖縄において、過疎化や語り部の高齢化により失われつつある自然と人との関わりの民俗文化を有形・無形の両面から記録し、資料学的研究に貢献する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歴史生態学的アプローチによる「漁具」の資料学的分析から、島嶼コミュニティが経験してきた環境史を構築し、社会経済的な動態に対して、島に生きる人びとは、どのように漁具をはじめとする自然利用を工夫し、生業経済や漁撈技術を変容させてきたのかを明らかにすることを目的とする。そして、琉球弧における自然と人とのかかわりの多様さを探求するための基礎的調査として、サンゴ礁資源利用の実態を資料としてできるかぎり詳細に記述し、その過程で人々の持っている海や魚の生態に関する民俗知、漁法と漁場選択、さらに漁撈活動の社会経済的諸要素との関係とその地域的な変遷を考察する。
2022度も引き続き主に鹿児島県与論島にて、1)歴史生態学的アプローチからの資料学的調査として、小規模漁業であるトビウオ追い込み漁の映像資料化、2)追い込み漁師のライフヒストリー聞き取り、3)文献調査、4)国際シンポジウムでの研究成果発表を行った。
2022年度は、コロナ禍によって中断していた広域調査に向けて、サンゴ礁海域で利用される漁具の共通調査票を検討した。共通調査票を作成するプロセスや海と共に生きる人々の知恵に関する聞き書き調査に、漁師をはじめとする多様な専門知をもつ地域の方々が参画する協働研究へと展開することができた。2022年10月、ドイツで開催された国際シンポジウムRIHN-IASS-KLASICA International Symposium, “Narrative Insights for Emerging Cultures of Sustainability”にて、「Narratives and material culture」をテーマに研究成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は基礎資料の収集を進めることで、地域の方との信頼関係の構築と協働調査の展開、国際シンポジウムでの発表など、国内外の研究者との物資文化研究の可能性について議論することができた。
特に前年度まで、コロナの影響を受けてほぼ実施することができなかった聞き取り調査を再開することができたことは、大きな進展である。鹿児島県与論島では、新規参入した若手漁師から現役、そして引退した古老など、さまざまな経験を経てきた漁師や漁協等へ積極的に聞き取りを行った。また地域から、1960年代以降の約3,000点の島の暮らしや自然に関する写真が提供され、現在、これらの資料整理を行なっているところである。2022年6 月には、これらの資料群から「運ぶ」をテーマに写真を選定し、公民館で参加型の写真展を開催した。参加型古写真展により、インタビューでは拾い上げられなかった、多様な世代や経験のある方の声を収集することができた。ただし、夏に予定していた傭船による参与観察は新型コロナウィルス感染症拡大により、実施できなかった。このため、礁池での小規模漁業の撮影は来年度以降に予定を変更せざるをえなくなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2023年度には、共通調査票をもとに伊良部島など他地域でも調査を展開し、サンゴ礁海域の通文化研究に向けた基礎資料を収集する。これらの研究成果をまとめ、国際学会等で発表を行う。
|
Report
(3 results)
Research Products
(20 results)