保護施設の人類学 - 社会的保護から捉えるポスト家族の可能性
Project/Area Number |
20K01228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山口 薫 (桑島) 名城大学, 経営学部, 教授 (50750569)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 女性 / 保護 / 保護施設 / 家族 / 共同体 / 親密性 / 性愛 / 女性の社会的保護 / 暴力 / 共同性 / 人類学 / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
家族からの暴力やアルコールや薬物の依存症、障がいなど様々な理由で行き場を失った人を対象とした保護施設がある。多くの場合、なぜそこに至ってしまったのかに目が向けられ、家族機能の不全が指摘されてきた。本研究では社会的保護の先に目を向ける。従来の「家族」の実態や規範が変化しつつあるなか、保護施設を契機に、人と人とが共に関わるなかで生まれる共同性に目を向けることを通じて、人間の社会関係の基盤を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の保護施設を事例に、社会福祉の現場からみえてくる「家族の機能不全」や「家族の欠損」とは何かを問うことによって、家族解体の先にどのような関係性や共同性が構築されているのかを文化人類学的に検証することにある。現在、暴力やアルコール依存症や精神疾患など様々な理由から、保護、自立支援という名目で婦人保護施設や母子生活支援施設、民間シェルターやグループホームなどで暮らしている女性たちがいる。本研究では、このような現場の状況を人類学的に調査し、そこから現代日本の家族を捉え返すことを目指している。 2021年度は、北海道、関東、中部地方において、DV被害女性のためのステップハウス運営NPO、アルコールや薬物依存症からの回復支援をするグループホーム運営NPO、30年以上の歴史を持つ民間シェルター、子どもシェルタースタッフらへ聞き取りをした。加えて、カンファレンス、就労支援活動、地域活動への参与観察を行った。そこから家族経験の差異や共通性、身体の使い方、被虐待児と親との関係などが浮き彫りとなった。並行して、ジェンダー、身体、ケア、家族、共同体を扱った文献調査を行った。 2022年度は、引き続き、大阪、神奈川、愛知で調査を行い、女性のための救護施設、保護施設を利用した暴力被害当事者らへのインタビューを実施した。また研究協力者(2名)と共同研究(zoom)を実施し(2022/9/13)、家族とケア、暴力、性愛をテーマにした研究報告および来年度の国内学会での分科会開催を念頭に、研究のまとめの方向性を検討した。ここまでの結果をもとに、査読論文の執筆を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの感染防止による調査の遅れを取り戻すべく、2022年度には救護施設、民間の支援相談員、暴力被害当事者へのインタビューを実施することができたため、研究を進めることができた。また、研究協力者2名(オブザーバー1名)と開催した研究会は、個々の研究の具体的な進展を確認することができたこと、かつ、研究会以外でも日常的にメール等で連絡を密に取り合い、成果物の発表に関する方向性について意見交換を続けてきたことが、先に進めることができた理由である。だが、それでもなお、希望している施設の訪問、実務家へのインタビューが実施できていないため、1年間、研究期間の延長をし、引き続き研究を進めることとする。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は最終年度である。予定されている保護施設の訪問、支援者へのインタビューとともに、可能な限り、当事者や入所経験者へのインタビューも行う。現在進行中の、理論的な構築のための文献調査も同時に進め、事例分析に備える。研究の成果として、現代日本の「家族」についての人類学的考察を進め、年度末には日本の家族とジェンダーについて、英語論文の執筆を開始する。また、来年度の日本国内での学会での発表に向けた準備を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(31 results)
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[Book] Bouncing Back: Critical Reflections on the Resilience Concept in Japan and South Africa2022
Author(s)
Maho Araki, Tamara Enomoto, Kolawole Gbolahan, Toru Hamaguchi, Itsuhiro Hazama, Minga Mbweck Kongo, Masayuki, Komeyama, Kharnita Mohamed, Gaku Moriguchi, Zuziwe Msomi, Francis B. Nyamnjoh, Berni Searle, Marlon Swai, Noriko Tahara, Toshiki Tsuchitori, and Kiyoshi Umeya
Total Pages
24
Publisher
Langaa RPCIG, Cameroon
ISBN
9956552232
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