Activities of the ICRC Delegates in the territory under the Japanese occupation during the World War II
Project/Area Number |
20K01247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
大川 四郎 愛知大学, 法学部, 教授 (70185205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 国際人道法史 / ジュネーヴ条約 / 赤十字国際委員会 / 民間人抑留問題 / 集合的記憶 |
Outline of Research at the Start |
2004年にジュネーヴ第一・第二追加両議定書を批准し、日本はジュネーヴ条約の完全な加盟国となった。だが、1946年以降、我が国は国際紛争の当事国となっていない。平和主義を国是としてきたからである。このため、ジュネーヴ条約に関し、直近の経験は第二次世界大戦時の実務まで遡るしかない。本研究では、第二次世界大戦中の日本軍占領地における連合国籍または第三国籍の民間人に対するICRC代表らの救援活動の実態を究明する。その反射的効果として、ジュネーヴ条約に対する当時の日本軍現地部隊の具体的対応も明らかとなる。これらの知見が、今後国際人道法を実践していく日本にとり、貴重な教訓となるはずである。
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Outline of Annual Research Achievements |
第1に、アーカイヴ史料調査状況について述べる。当年5月になり、コロナ禍に由来する海外渡航自粛措置が解除された。ところが、主たるリサーチ先である在ジュネーヴ赤十字国際委員会アーカイブでは、コロナ禍以後も、閲覧利用条件が依然として制約されたままである(利用には8ないし11週前より申請すべきこと、1回の利用者は1名のみ。ちなみに、利用者は全世界から来訪する)。当年度のスイス渡航は断念せざるを得なかった。このため、当課題採択以前に在ジュネーヴ赤十字国際委員会アーカイブ、在ベルン・スイス連邦公文書館、在バーゼル・福音伝道団アーカイヴで蒐集した資料の閲読を進めた。このうち、在ブルネオ赤十字国際委員会代表フィッシャー博士とその家族の行方について、スイス外務省からの照会に対するオランダ政府側からの外交文書(オランダ語)の閲読を始めている。現在のところ、新しい事実の発見はない。 第2に、関連文献調査について述べる。前年度に続き、J・ファン・デュルム他編『1942-1945年蘭印における日本軍収容所図解地図』(オランダ語、2001年)、ファン・フェルデン著『第二次世界大戦中の日本軍管理下民間人抑留所』(オランダ語、初出は1963年、1985年までに第4版)の閲読を進めている。これまでは図書館相互貸借で取り寄せでは、必要箇所のみをコピーし、閲読してきた。不可欠な文献であるにもかかわらず、一括して検討することができず、不便だった。そこで、当年度は、本研究費補助金の一部を使い、両書をも含めて、合計9件のオランダ語文献を新規購入し、研究体制の改善に努めた。なお、マリアンヌ・デューバッハ・ヴィッシャー著『聴診器を携え、小舟に乗って診療へ - ボルネオにおける医学博士フィッシャー・ミリウス夫妻の事績(1928―1943)』(ドイツ語、1998年)を引き続き閲読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当課題における主たる研究作業は、国内外のアーカイブにおいて、第一次史料を実地に閲覧調査することにある。収束していないコロナ感染を警戒し、国内での出張予定先としていた外務省外交史料館へは、当年度も、一度として訪れていない。海外渡航自粛措置が解除されたとはいえ、主たるリサーチ先の海外アーカイヴにおいて依然としてコロナ対策措置が取られたままである(1週間あたりの開室日数は5日間から3日間へ、1日の開室時間は7時間30分間から4時間30分間へと縮減、1回の入室可能人数は5人から1名へと制限)。早計な渡航計画を立てることは得策ではないと判断し、当年度も海外渡航を断念した。 また、当年度になり、研究代表者が担当すべき遠隔型授業は皆無となった。だが、コロナ禍を契機に、学生の学習スタイル(ネット上の情報に安易に頼り、深い省察をかいたまま、課題をまとめるなど)が一変している。これに対し、コロナ禍以前に増して、懇切な対応(例えば、剽窃防止ソフトによる精査や、ネット上の典拠を逐一たどり、どの典拠を引くのが適切かという指導)が一層必要となっている。こうした作業に、多大の時間を奪われてしまった。当課題の研究に充てることができたのは、残余の時間である。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、研究代表者は、所属先大学の「教育職員特別研修制度」に応募し、2023年度の長期海外研修を許可された。かつ、海外での所属先として、スイス連邦内ジュネーヴ州立大学法学部法制史研究室を選択した。そして、主任教授のアレックス・ケラー教授より、2023年4月1日より2024年3月31日まで客員研究員(リサーチ・アソシエイト)としての受入を承認していただいた。これを期に、次年度中は、在ジュネーヴ赤十字国際委員会アーカイブ、在ベルン・スイス連邦公文書館、在バーゼル・福音伝道団アーカイブ、バーゼル準州都市部公文書館を訪問し、中断を余儀なくされていた関連文書の継続調査にあたりたい。 第2に、当課題採択以前に在ジュネーヴ赤十字国際委員会アーカイブ、在ベルン・スイス連邦公文書館、在バーゼル・福音伝道団アーカイヴで蒐集した資料、および、採択以後に外務省外交史料館で蒐集した資料、ならびにJ・ファン・デュルム他編『1942-1945年蘭印における日本軍収容所図解地図』、ファン・フェルデン著『第二次世界大戦中の日本軍管理下民間人抑留所』、デューバッハ・ヴィッシャー著『聴診器を携え、小舟に乗って診療へ』について、閲読および分析を進めていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)