Project/Area Number |
20K01265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
宇野 文重 尚絅大学, 現代文化学部, 教授 (60346749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 親権濫用判決 / 明治民法 / 「家」制度 / 身分法学 / 家族法学説史 / 戸主権 / 裁判例研究 / 親子法 / 民事判決原本 / 戸主権濫用判決 / 明治前期下級審判決 / 家族法学史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1898(明治31)年の明治民法施行後の親権濫用判決および戸主権濫用判決を横断的に検討し、日本近代家族法における家族間の権力関係が、婚姻形態ないし「世帯」という家族共同生活単位と密接に結びついていることを論証するものである。 具体的には、家長的権力である親権と戸主権をめぐる1900~1940年代の判決を収集・分析し、同時期に身分法学説で主張された「事実上の夫婦」や「事実上の親子」の保護といった生活共同体の実態を重視する議論と親権・戸主権に対する司法判断の共通性/解離性を検証する。こうした観点は、時代によって変化する多様な家族像と家族法のあり方を問う現代の家族法論にも示唆を与え得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに引き続き、明治民法施行以後の親権濫用判決を中心に収集・分析を進めた。国立公文書館で所蔵されている親権濫用判決で閲覧可能な原本18件について分析に取り組んだ。判決の時期としては明治34~35年、明治40,42年、大正3,4,8年、昭和7年、昭和24~27年とばらつきがあり、判決裁判所も多様であったが、未公刊の下級裁判事例を収集することができた。分析の結果として、子の祖父などから実父に対する親権喪失宣告請求訴訟を4件発見でき、いずれも実父の親権喪失が宣告されていた。そのうち1件は婿養子であったが、残る3件は非婿養子であった(すなわち、原告=子の祖父、被告=子の実父かつ原告の息子である事例など)。親権喪失を宣告された実父の中には、放蕩等により法定推定家督相続人を廃除された者もあった。母の親権については、「不行跡」をめぐる判断に加え、財産管理と親族会の関係に言及する事例も見いだせた。また、昭和24~27年の判決については、終戦前後の社会情勢が見いだせ、離婚と併せた親権喪失宣告請求が複数件見いだせた。以上の事例から親権をめぐる紛争の背景を分析するにあたって、本課題がテーマとしているように、夫婦(婚姻離婚)や戸主権ないし相続、親族会など、身分法(≒家族法)領域における横断的な視点が必要であることが明らかになった。この分析結果については、個々の事例についてより精緻な分析を加えた上で、次年度に公表したい。 また、明治民法における「家」制度について、戸籍制度との関係を検討するにあたり、戦後の民主化における改正まで視野に入れた分析に取り組んだ。この成果については、2023年12月に共著を公刊し、次年度中にもう1本の共著書を公刊予定である。また、関連する論文に対する書評1本を学会誌(法制史研究、2024年度刊行予定)に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
明治前期ないし明治民法施行期以後、さらには戦後直後における膨大な民事判決を収集し、分類・分析するために時間を要している。とくに国立公文書館つくば分館に所蔵されている明治判決原本については、簿冊名・事件名からだけでは内容が判明しないということ、閲覧審査にも時間を要することから、取り寄せて確認をするまでにも相応の時間を要している。また、戦後の民主化における改正時期も視野にいれた考察にも取り組んでいることから、この時期の資料の収集、分析にも時間が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、民事判決原本の分析を進め、父に対する親権喪失宣告の事例や母と親族会との関係、家督相続をめぐる背景、婚姻関係と親権との関係、親権と戸主権との相克など、身分法の各領域を横断的に分析する視点をもって、事例研究の成果を公表していきたい。
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