低所得高齢者に対する居住・支援の包括的保障と養護老人ホームの役割に関する研究
Project/Area Number |
20K01336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05040:Social law-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高田 清恵 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (30305180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 社会保障法 / 高齢者福祉 / 老人福祉施設 / 養護老人ホーム / 低所得高齢者 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、介護保険法施行後の多様化した高齢者の住まいのなかで、これまで検討の対象とされてこなかった措置施設である「養護老人ホーム」に焦点をあて、措置制度および養護老人ホームの運用実態等も踏まえつつ、当該施設と措置制度が果たすべき新たな役割と位置付けについて、法的観点から整理・再検討を試みる。特に「低所得高齢者」が適切な質と水準をそなえた「住まい」と「支援」を包括的に保障されるための法制度のあり方を、措置制度を含めて総合的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護保険法施行後の多様化した高齢者の住まいのなかで、これまで十分に学術的な検討の対象とされてこなかった措置施設である養護老人ホームに焦点をあて、とりわけ低所得高齢者に対して適切な質と水準を備えた住まいと支援を包括的に保障するために、その運用・運営実態も踏まえつつ、養護老人ホームと措置制度が果たすべき役割について、社会保障法学の観点から検討することを目的としている。 2022年度は、第一に、前年度に引き続き、高齢者の住まいの多様化、養護老人ホームの法的位置づけや役割の変化、措置制度をめぐる動向や学説状況について、文献・資料の分析・検討を進めた。第二に、今年度は九州地区の一部の養護老人ホームおよび高齢者施設を訪問して現地調査を実施することができた。しかし、新型コロナウイルスの影響により、それ以外は予定していた現地調査を実施できなかったため、代替的に遠隔会議システムやメール等を利用して、九州・沖縄地区をはじめ他の地域にも範囲を拡大して、養護老人ホームやその他の形態の高齢者施設の運営等の実態や関連する事項の把握に努めた。第三に、市町村における措置制度の運用状況に関する現地調査についても、新型コロナウイルスの影響により実施が困難であったため、代替的に、一部の市町村を対象に、前年度に明らかになった内容をふまえて補足的な内容のアンケート調査を実施した。さらに今年度は、これまでの研究結果の一部について大学紀要に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、前年度に引き続き、文献研究として措置制度や養護老人ホームをめぐる法制度・政策の変遷や学説状況に関する分析・検討を行い、老人福祉法にもとづく養護老人ホームの法的位置づけ・役割の変化や課題について分析・検討を進めた。 他方で、養護老人ホーム等での聞き取り調査、市町村を対象とする聞き取り調査については、前年度までと同様に、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた現地での聞き取り調査は、一部を除いて実施することができなかった。そのため代替的に、遠隔会議システムやメール等を活用して実態把握や資料収集につとめ、また、市町村を対象に、前年度に把握した内容に関する補足的なアンケート調査も実施した。これらにより、ある程度の実態を把握することができたが、いまだ十分に把握できていない部分が残っている。 また今年度は、研究成果の一部を大学紀要等で公表したほか、老人福祉施設関係者、高齢者福祉分野で働く福祉・介護従事者、法学や社会福祉学の研究者などが参加する複数の研修会や研究会で報告し、研究内容について有益な意見や助言を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、前年度までに未だ解明が不十分である点や、補足的に聞き取りや資料収集等を必要とする部分を中心に、補足的な現地調査を実施して、実態の解明に努めることとする。 その上で、最終年度にあたる2023年度は、これまでに実施した文献研究と実態調査等の結果をふまえて、総合的な分析・検討に重点的に取り組むこととする。具体的には、老人福祉法に基づく措置制度の意義や役割、契約制度との役割分担や連携のあり方、老人福祉施設その他の高齢者を対象とした住居のなかでの養護老人ホームの位置づけや役割、利用手続や財政その他の課題について、これまでに明らかになった実態もふまえて、理論的研究に取り組むこととする。それらの研究の結果について研究会等で発表する機会を設けるとともに、最終的に論文として公表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)