アクセスプロバイダ等の媒介者に対する差止めの法的根拠に関する比較法制史的研究
Project/Area Number |
20K01371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022) Osaka City University (2020-2021) |
Principal Investigator |
坂口 甲 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (20508402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 昌裕 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30609863)
粟辻 悠 関西大学, 法学部, 准教授 (50710597)
佐々木 健 京都大学, 法学研究科, 教授 (70437185)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 妨害者責任 / 差止め / 物権的妨害排除請求権 / サイトブロッキング / 物権的請求権 |
Outline of Research at the Start |
インターネットを介した情報の流通による権利侵害については、サイトブロッキング等の対策を導入している国があり、日本でも導入の是非が検討されている。このような現代的課題に対して、本研究は、法制史研究者と民法研究者が協同して、所有権に基づく物権的請求権を比較法制史的観点から再検討し、これをモデルとして所有権以外の排他性を有する権利に基づく差止請求権を体系化したうえで、その限界を画定することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、現行民法を担当するグループと法制史を担当するグループとに分けて取り組まれた。 民法グループの実績は、次のとおりである。ドイツ民法1004条における妨害排除責任の相手方は、「妨害者」と呼ばれる。ドイツの判例では、ある者が妨害者にあたるというためには、妨害についてその者に広義の帰責性が必要とされる。2022年度も妨害者の帰責性をめぐるドイツの法状況について調査を行った。その際の重要な手掛かりとなるのが、2018年2月9日の連邦通常裁判所判決(NJW 2018 1542)である。連邦通常裁判所は、同判決で妨害者に「安全確保義務」違反としての帰責性を要求しているが、その内容は、安全確保義務に明確に言及するようになった2001年2月16日判決(NJW-RR 2001, 1208)以降の判決例の中に位置づけると、危険責任(Gefaehrdungshaftung)に純化する方向へ変容しているようにもみえる。この点の明確化は次年度の課題である。 法制史グループの実績は、次のとおりである。ローマでの洪水に際し、建築資材などの流下物が残留する下流土地の保有者は、流下物の回収を企図する者に、担保提供を求めることができるとする史料がある(Dig. 39, 2, 9, 1)。同史料によれば、担保を供された以上は、下流土地の保有者による回収妨害は禁止された。この史料を分析することにより、「妨害排除」概念の沿革と内実に注目し、これを「物権的請求権」に結び付けることの是非を再検討した。これに加えて、占有保護が必ずしも本権保護と一致せず、危急の仮処分的保護を、所有(権)と関連付ける必然性もない法制の実例を挙げ、訴訟法の観点から本案と本権との関係を解明する一端を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
両方の研究グループにおいてそれぞれ分担課題の研究が進められ、いくつかの課題については、研究会で報告し、また、論文を公にすることができた。また、研究グループ相互の意見交換も月に1回程度のペースで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究計画の最終年度にあたる。各研究グループの個別の課題をそれぞれ取りまとめるとともに、現行民法と法制史のそれぞれの観点から互いの研究内容を批判的に吟味し、本研究課題の成果を総括する。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)