わが国におけるコーポレート・ガバナンス規整の変遷と今後の課題
Project/Area Number |
20K01374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
荒谷 裕子 法政大学, 法学部, 教授 (80125492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 会社の機関構成 |
Outline of Research at the Start |
わが国における企業統治に関する法改正は、半世紀近く幾度となくなされてきたにもかかわらず、今日に至るまで十分その機能を果たしているとは言い難い。本研究では、①昭和25年商法改正から令和元年会社法改正までのコーポレート・ガバナンス規整の変遷と意義および課題、②会社法とソフト・ローの2重規整構造によるガバナンスシステムの実効性、③Comply or Explainルールの導入という3つの視点から、わが国の現在のガバナンス規整の実務上・理論上の課題について、EU諸国、特にフランスとの比較法研究を交えながら整理・分析することにより、わが国の企業風土にあったより効果的な企業統治システムを具体的に提言する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究課題であるコーポレート・ガバナンスに関する比較法的研究として、機関構成、役員の責任等に関する規制がわが国と類似しているフランス会社法の規制の現状と課題についてフランスの文献および判例について集中的に研究を行った。近年、わが国では、判例法諸国である英米に関する研究はさかんに行われているが、本来、成文法主義を採用しているわが国の会社法においては、大陸法であるフランスの会社法を研究することは極めて大きな意義を有すると考える。そこで、わが国で特に問題となっている事象・課題についてフランスでは、どのようにとらえられ、議論されているかという視点で検証することに力点を置き研究を行った。なお、併せて、日本ではほとんど紹介されていないEUに関する規制と、そのはざまで自国のコーポレート・ガバナンスに関する規制の在り方を模索するフランスの会社法・金融商品取引法の研究は、わが国の今後の規制の方向性を考える上で大きな参考となった。 新型コロナの影響とデジタル化の進展が急速に進む中で、2021年に改正された改正産業競争力強化法の施行、2022年9月の改正会社法施行を踏まえて、わが国の株主総会開催の在り方は大きな転換期を迎えようとしていることから、上記を含めた今後のガバナンス改革の在り方と課題・今後の方向性等について、上場会社の実務担当者、ビジネス法務専門の弁護士・機関投資家などからオンラインでのヒヤリング調査を実施した。 なお、昨年4月に大きく改編されたマーケット改革およびソフトローであるコーポレート・ガバナンスコードについて、中小規模の上場企業や株式公開を予定している企業では、どのようにこれを受け止め対処しようとしているのか等、その現状と課題について、昨年に引き続き調査・意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの影響で、ヒヤリング調査を予定していた国内、特に地方の企業実務担当者や弁護士等と予定していた調査・議論が十分に実施できなかったことに加えて、海外渡航の禁止により、EUやフランスに出張をして、現地の規制当局者や研究者・企業関係者にインタビュー調査を予定していたが、実現に至らなかった。 フランス・EUにおけるコーポレート・ガバナンスに関する論文の発表が例年より大幅に減少および予定より遅延していることも、進捗が遅れている一因である。 コーポレート・ガバナンス規整を強化することを目的とする法改正に関する文献の出版が遅れていること、2022年9月1日に施行された改正会社法への実務の対応が実務に反映されるのは、2023年に入ってからであること、これらに関する実務の対応に関する情報交換・議論の機会が、新型コロナの影響もありなかなか確保できなかった。 以上の事情から、研究の進捗が予定より遅れた次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの影響で、十分に実施できなかった企業の実務担当者、ビジネス法務専門弁護士等に対して、対面でのヒヤリング調査を交えながら改正法を踏まえたコーポレート・ガバナンス規整の在り方、今後の方向性、課題について研究を進める予定である。 また、EU・フランスにおけるコーポレート・ガバナンス規整の概要と課題について、規制当局者・実務家・弁護士との間で意見交換を行うとともに、最新のフランス・EUの論文・判例の研究を通して比較法的にわが国の規制の在り方について提言をまとめたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)