Platformerの法的責任に関する一考察ー契約責任のフロンティア
Project/Area Number |
20K01405
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三枝 健治 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80287929)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | プラットフォーム提供者 / 情報化 / 契約責任 / プラットフォーマー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、プラットフォーマーの顧客に対する法的責任を検討し、そのあるべき準則を提案しようとするものである。プッラトフォーマーは、ビジネスの基盤として利用しうるシステムを第三者に提供するだけで、その第三者が顧客に販売した商品・サービスについて、自らは販売していないから、契約上の責任を顧客に負わないとされる。しかし、プラットフォーマーに何ら責任がないとの立場は各国で批判され、その責任を肯定しようとする動きが活発になっている。そこで、本研究は、各国の最新動向を調査し、契約責任の理論的な再検討にも取り組みつつ、実務上解決が急務なプラットフォーマーの法的責任について立法論的・解釈論的な提言を試みたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
情報化社会の進展により、(a)取引内容と(b)取引方法が今日、それぞれ情報化されているとの現状分析に基づき、本年度は、昨年度に続いて、後者(b)取引方法の情報化の問題として、いわゆるプラットフォーム提供者の責任について検討を加えた。 詳細に文献調査を進めた結果、第1に、プラットフォーム提供者の責任には、(b-1)プラットフォーム利用者に対する責任と、(b-2)安心で安全なオンライン上の取引環境を整備する責任の2つがあると考えられること、第2に、前者(b-1)は利用者に被害が生じていることを前提に主に私法上の問題とされるのに対し、後者(b-2)は利用者に被害が生じているか否か無関係に、主に公法上の問題とされること、第3に、前者(b-1)プラットフォーム利用者に対するプラットフォーム提供者の私法上の責任には、(b-1-ア)契約利益の責任もあれば、(b-1-イ)物的被害や人身被害のような完全性利益の責任もあること、第4に、後者(b-2)プラットフォーム提供者の公法上の責任も、プラットフォーム利用者に損害が発生した場合には私法上の責任も生じると考えることは許されること、第5に、プラットフォーム提供者の責任を検討する際、これらの多元的な責任の内容と性質の違いを意識する必要があること、以上5点を確認した。そのうえで、近時、我が国で注目されているヨーロッパ法律協会ELIが策定したオンラインプラットフォーム取引のモデル準則が、このプラットフォーム提供者の多元的な責任において、どのような責任まで射程を持つべきものか、その他の法制や判例との比較を通じて考察するとともに、プラットフォーム提供者の責任に関するあるべき規律を今後定立することの可能性を探った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が主要な研究手段とする文献研究自体は予定通り進んでおり、その成果の一部を論文で公表し、研究会でも報告して意見交換する機会を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献調査をさらに進め、関連資料の収集と分析により、当初の計画通り、研究の最終成果の公表に向けて、課題についていっそう考察を進める予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(15 results)