医療的ケア児と家族の支援に向けた法的制度的課題の抽出と制度検討
Project/Area Number |
20K01416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 綾子 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 客員研究員 (10436503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 医療的ケア児 / 法的制度的課題 / 就学 / 親の就労 / 家族 / 学校 / 在宅ケア / 医療的ケア児支援法 / 行政による支援 / 合理的配慮 / 法的倫理的課題 / 支援 / 医療的ケア / ELSI / 社会支援 / 医療政策 |
Outline of Research at the Start |
日常的に人工呼吸、痰の吸引、導尿などの医療的ケアを必要とする子どもの数はここ10年 で2倍に増えている。成長に応じ就学や就職を目指すが、医療的ケアを専門的に行える訪問看護師は全国で不足し、学校や就業先、生活全般において家族(主には母親)がケアの担い手となっている。本研究は医療的ケア児とその家族の支援に向けた現代の法的制度的課題を抽出し、この課題を克服するための具体的な制度提案につなげることを目指し、当事者家族へのインタビューを動画で記録・公開することで同様の家族とのつながりや支援者とのつながりを生みだし、さらに課題抽出により在宅医療や訪問看護、教育、行政関係者との課題と解決策を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年7月に医療的ケア児の家族の語りデータベースをHPにて公開し、公開記念シンポジウムを2023年9月に開催した。語りの中では、子どもの病気や障害、医療的ケアが必要なことを受け止めるまでの葛藤、医療的ケアを在宅で実施することによる日々の緊張感、保育園や学校での付き添いによる母親の就労困難、将来の子どもの居場所の確保など多岐に渡ることが確認できた。プロジェクト実施期間中の2021年6月には、国会で医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)が成立するなど、社会的にも医療的ケア児と家族への支援が注目を集めるものの、実際には当事者の個別の困りごとには行政や支援者の手がまだ十分行き届いていない状況がある。 「医療的ケア児」と一口に言っても、お子さんごとに障害の種類や程度は多様である。また、乳幼児期、就学時期、自立訓練期など、お子さんの年齢によって困りごとや悩みは変化する。居住する自治体によって制度的な手当てや行政や支援機関と当事者の間の距離感も様々で、小児に対応できる医療機関の数や自宅からの距離、公共交通機関の利便性などの生活における地域差もあることが理解できた。2023年9月2日、聖路加国際大学およびオンラインにて、医療的ケア児家族の語り公開記念シンポジウム「医療的ケア児の学びと卒後の居場所~成長への家族の思い」を開催した。医療的ケア児の家族の語りの中では、お子さんの就学に関わる悩みや困りごと、卒後に関する話題に触れた。就学相談の段階から子どもの学ぶ環境を整えるために何が必要なのか、学校が個別指導計画を具体的に立てられるよう、親が遠慮せずに要望していくこと、インタビュイーからは、親の付き添いを不要とする学校現場の実現、学校卒業後にもその子の力を伸ばし活動できる場への渇望といった点が述べられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年7月にデータベースの公開、2024年3月までに全体の9割程度のデータベースの公開にこぎつけることができた。しかしながら、2023年4月に3つのトピックを担当する共同研究者が自身の結婚のために渡米し、担当したトピックが仕上がっていない。また、インタビュー1名が、ご自身のお子さんの病状の変化により内容確定ができないまま2024年度になってしまった。このインタビュー内容については、2024年4月時点では確定できたため、現在、内容の分析および最後のアドバイザーへの確認作業に入っている。 本来ならが2024年3月に完全公開になる予定だったが、2024年7月を目途としている点で、進捗状況としては遅れている。 予算や労力的にかかる部分はおおむね終わっており、残りは確認作業であり、学会やイベント等を通じての広報や、法的課題に関する提言は並行して行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年3月までに完全公開予定だったデータベースの公開については、2024年7月を目途とし、作業を分担して行っている。そのうえで、医療的ケア児の家族の語りの中で見いだされた法的制度的課題として、インクルーシブ教育や障害者就労をテーマとして、当事者を含むいくつかの学会報告を予定している。 具体的には、2024年5月の保険医療社会学会において、障害者就労に関するラウンドテーブル、2024年6月に老年社会学会において、先端技術と障害に関するラウンドテーブル、2024年7月には世界医事法学会において、医療的ケア児の家族の語りから見いだされる日本の障害者政策の課題についての研究報告を行う予定である。 さらに、2024年7月には、医療的ケア児の家族の語りのデータベースをつかった障害と災害に関する課題についてのイベントをオンラインで開催する。能登半島地震をはじめ、現在懸念される災害対応について、障害のある人とその家族が安心できる体制づくりについてディスカッションを行うとともに、政策提言を行うことを目指す。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)