Burden-sharing and self-enforcing international agreements on international public goods provisions
Project/Area Number |
20K01548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Kansai University (2021-2022) Wakayama University (2020) |
Principal Investigator |
太田 勝憲 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60403218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大堀 秀一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70378959)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 国際公共財 / 繰り返しゲーム / 環境協定 / 難民の第三国定住 / 国際協定 / 気候変動に関する国際協定 / 環境 / 難民 / 気候変動 / 難民保護 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、権威の存在がなくても執行できるself-enforcing な国際協定を考察し、self-enforcingな国際協定の中で、何らかの意味で最適な負担の分け方や、交渉を経て実現する負担の分け方がどのような性質を満たすか分析する。 契約を明示的に書き、それを締結することが不可能な状態であっても、長期的関係を通じて協力関係が維持できる。そこで、self-enforcing な国際協定の考察方法として、本研究では繰り返しゲームを用いる。負担の分け方の問題は、国際公共財の総供給量を所与として、それをどのように国家間で分けるか(割り当てるか)という長期的関係をデザインする視点から考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続き、2つの研究を進めた。まず、国際環境協定に関する論文を海外の査読付き学術雑誌に投稿し、改訂要求を受け、再投稿まで行なった。この研究は、当初、2国モデルのみを考察していたが、匿名の査読者の助言を受け、2国モデルで得られた結果をn国モデルに一般化した。この研究は、所与の温室効果ガス削減目標を達成することを目指したトリガー戦略を分析している。今回の改訂で、トリガー戦略が部分ゲーム完全均衡になるために必要な割引因子の下限を最も小さくするような協調局面での削減負担の分け方を、非対称n国モデルで特徴づけた。結果として、最も低い割引因子の下で協定を自己執行可能にする負担の分け方はこれまでの2国モデルの結果と同様の性質を有することを示した。また、n国モデルへの拡張によって、温室効果ガスの削減量に関する比較静学として以下の結果を得た。世界全体の削減率と比べて削減率が低い国にとって、世界全体のさらなる温室効果ガス削減は協定遵守のインセンティブを厳しくすることを示した。 難民の第三国定住に関する研究は、海外にいる連携研究者とオンラインで定期的に打ち合わせを行い、分析の細部を完成させ、Global Labor OrganizationとSSRNにワーキングペーパーとして公表した。さらに、海外の学会での報告もアクセプトされた。今年度は、モデルの拡張として、難民の数が、毎期、確率的に変動するモデルを考えた。この拡張によって、難民が急増するときの難民保護のインセンティブ維持が難しくなることを示した。また、この研究については、難民受け入れのコスト関数を指数関数を用いて分析してきたが、これを2次関数にしてより簡便な証明や計算に書き直している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境協定に関する研究については、投稿した学術雑誌の査読者から評価され、改訂要求を受けた。また、難民問題に関する研究については、国際学会での報告が採択された。以上より、一定の評価を得ていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、2編の論文を、それぞれ、学術誌に投稿、掲載を目指す。環境協定の研究論文については、共同研究者と定期的に打ち合わせを行い、年度内の雑誌掲載を目指す。難民の第三国定住については、国際学会報告後に、学術誌への投稿を行う。そのために、できるだけ多くのフィードバックを国内外の研究者からもらえるように、ワーキングペーパーを配布したり、セミナーで報告などを行う。 最後に、これまでの2編の論文を踏まえた、気候変動に関する協定から難民問題に関する協定まで全てを射程に入れた一般化された国際公共財供給に関する研究を行う。この最後のプロジェクトについては、共同研究者と共に、海外にいる連携研究者の大学を訪問し、短期間に集中して作業を行う。研究プロジェクトの方向性を早く見つけて、年度内に何らかの成果を得られるように努力する。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)