SUT体系における商業サービスの表章および推計手法に関する調査研究
Project/Area Number |
20K01596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
宮川 幸三 立正大学, 経済学部, 教授 (00317281)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 供給・使用表(SUT) / 商業サービス / デジタルエコノミー / 経済センサス活動調査 / 産業連関表 / 商業統計調査 / 供給・使用表 / 生産物分類 / 経済センサス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、商業サービスに関する「産業分類・生産物分類の適用」、「企業や事業所といった統計単位のあり方」、「電子商取引の取り扱い」という3つのトピックに焦点を当て、「経済センサス-活動調査」をはじめとする一次統計データを用いた分析を通じて、SUTにおける商業活動の適切な表章形式や推計手法を探る。 またSUTや産業連関表を用いた分析を通じて、現代の複雑化・多様化した流通形態に基づく商業活動が、マクロ経済に与えるインパクトの大きさを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、供給・使用表(SUT)における商業サービスの適切な表章形式や推計手法について、産業分類および生産物分類や一次統計における調査単位の視点から検討することである。またその検討結果に基づいて、SUTおよび産業連関表を試算し、流通経路の複雑化や多様化、商業活動のデジタル化といった様々な変化がマクロ経済に及ぼした影響について分析を行うことも本研究の目的である。 2022年度は、前年度までに行った諸外国の分類体系や統計調査に関するサーベイ結果をもとにしながら、日米分類体系の比較やSUT体系を前提とした場合の商業部門における分類体系のあり方について考察を行った。また、日本の「経済センサス-活動調査」のマイクロデータを用いた分析を通じて、現行の日本標準産業分類では、供給サイドの分類概念の視点からいえば定義を見直す必要がある部門、統合を検討すべき部門がいくつか存在することなどを示した。さらにデジタルエコノミーの観点から、インターネット小売の半分以上がインターネット販売と店舗販売を同時に行う事業所によって行われているため、現状の産業分類のみではインターネット販売の規模を正確に捉えることは困難であること、生産物分類においてデジタルと非デジタルの区分を可能にするような体系を構築する必要があることなどを明らかにした。 これらの研究結果については、論文を雑誌『経済統計研究』に投稿するとともに、「第1回 産業分類に関する勉強会」(総務省政策統括官付統計審査官室開催の勉強会、日付:2022年10月6日、場所:オンライン開催)、「デジタライゼーションの統計的把握に関する調査研究 第1回研究会」(総務省統計委員会担当室主催の委員会、日付:2022年11月14日、場所:三菱総合研究所会議室)などで報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画において、本研究の内容は「①諸外国のSUTにおける部門概念や推計手法に関する調査」、「②商業サービスの表章形式のあり方に関する実証分析」、「③商業分析用SUTの試算とマクロ経済への影響に関する分析」という3つのパートに分割されていた。 「①諸外国のSUTにおける部門概念や推計手法に関する調査」については、新型コロナウィルスの影響により2020年度・21年度に予定していた現地調査を実施することができなかったものの、その後文献調査やオンライン調査に代替することにより、2022年度末までにほぼ遅れを取り戻すことができた。 また「②商業サービスの表章形式のあり方に関する実証分析」については、2022年度に重点的にマイクロデータを用いた分析を行い、論文や会議等で研究成果を発表することができたため、多少の遅れはあるものの順調に進んでいるといえる。 しかしながら「③商業分析用SUTの試算とマクロ経済への影響に関する分析」に関しては、①や②に時間を取られたこともあり、2020・21年度に生じた遅れを取り戻すには至らず、研究開始前に予定していたスケジュールに比べて遅れているのが現状である。 以上より、本研究課題全体の進捗状況は、やや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の従来の産業連関表では、部門別取引ごとの詳細なマージン額データが公表されており、これを用いることによって、価格分析をはじめとする様々な分析を行うことが可能となっている。また、金額規模の大きな商業部門について、このような精緻なデータを推計することは、産業連関表全体の推計精度向上にも寄与している。SUT推計においても、商業マージン額データは生産者価格評価と購入者価格評価をつなぐ重要なものであり、分析的な視点からもSUTおよびGDPの推計精度向上のためにも商業部門を細分化・精緻化したデータを作成することが必要である。 そこで2023年度は、これまでに行った「経済センサス-活動調査」を用いた分類体系のあり方に関する分析・検討結果や、商業分析用産業連関分析モデルによる分析結果等に基づき、SUTと整合的な商業マージンマトリックスの推計および分析を試みる。 また同時に、「経済センサス-活動調査」に基づいた疑似ミクロデータの作成に取り組み、これを用いてSUTの様々な推計手法についてシミュレーション分析を行い結果を比較検討する。 これらの分析により、SUT体系における商業部門の最適な表彰形式を示したうえで、高い推計精度を実現するための推計手法の確立を目指す。また、SUTの精度向上を実現するために必要な現行一次統計体系における課題も示す。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)