Project/Area Number |
20K01600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
片山 直也 関西大学, 経済学部, 教授 (80452720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 合理的バブル / 共和分検定 / 単位根検定 / 多変量時系列モデル / 時系列解析 / 波及経路 / ロバストネス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、合理的バブルの統計学(時系列解析)の理論研究と、国内外の株価指数や不動産指数バブルの検証を中心に行う。理論研究に基づき、世界各国の株価指数や不動産価格指数をもとに、金融緩和などの経済政策からバブルに至る波及経路や、バブルの発生により引き起こされた経済格差など負の社会現象への波及経路を、多次元時系列モデルを用いて解明する。また、関連する研究として、経済ニュースによる世界同時株安など、一時的なショックで終わる事象を外れ値と捉え、経済ショックによる株価連動経路を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度、共和分関係にある単回帰モデルにおいて、バブル期を含む場合の最小二乗推定量の理論構築を進め、学内のワーキングペーパーにまとめた。このワーキングペーパーでは、あくまで単回帰モデルという簡単な共和分関係での結果ではあった。今年度は、この研究結果を拡張して、共和分変数が3つ以上のケースに拡張した。さらに、複数のバブルがある場合にも拡張した。最小二乗推定量は、説明変数と被説明変数間にあるラグを誤った場合、バイアスが生じ、そのバイアスはバブル期の偏回帰係数(共和分ベクトル)に依存することが分かった。このバイアスを補正するために、本研究では、ラグの推定を残差二乗和を最小化するラグで推計を行う方法を提案した。これによる最小二乗推定量は、バイアスを補正するとともに、ラグが既知の場合と同じ漸近分布を持つことが示された。この漸近分布は、非正規分布であり、バブルの発生時点とバブルのピークの時点、バブルの増大を表すパラメータに依存している。バブル期を含む可能性のある長期の時系列データへの適用可能性を示唆する重要な結果であると思われる。これらの結果は2024年度に海外ジャーナルに投稿する予定である。また、共和分ベクトルに関わる検定問題にも研究を進めた。研究で考える検定は、共和分関係があることを帰無仮説、対立仮説を共和分関係がないとするものである。この検定は、2023年度まですすめてきた共和分ベクトルの推定と共和分ベクトルのラグの推定問題の応用である。すなわち、いわゆるI(1)の非定常時系列同士ではなく、バブル期を含む可能性のある長期の時系列データでの共和分検定となっている点が、新規性がある。これも2024年度に研究をまとめ、海外ジャーナルに投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書を作成した当時では、最も難しいと思われていた、共和分関係の推計問題をを取り組み、その理論結果を求めることができた。非常に長文の研究論文なので、細部にミスがあるが疑問となっていた修正点もかなり直すことができた。今後は、国際学会などで意見を取り込み、海外ジャーナルに投稿し、よりよい研究にしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
共和分ベクトルに関わる検定問題にも研究を進める予定である。研究で考える検定は、共和分関係があることを帰無仮説、対立仮説を共和分関係がないとするものである。この検定は、2023年度まですすめてきた共和分ベクトルの推定と共和分ベクトルのラグの推定問題の応用である。すなわち、いわゆるI(1)の非定常時系列同士ではなく、バブル期を含む可能性のある長期の時系列データでの共和分検定となっている点が、新規性がある。帰無仮説における検定統計量の漸近非正規分布を求める。対立仮説では、一致検定であることを証明する予定である。また有限標本での性質を調べるために、シミュレーション実験を行う予定である。最後に、不動産バブルや株価指数バブルなどの実証研究にも取り組む予定である。
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