Project/Area Number |
20K01801
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Kanto Gakuin University (2022-2023) Tokuyama College of Technology (2020-2021) |
Principal Investigator |
柏倉 知秀 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10342560)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ハンザ / 商業史 / リューベック / ハンブルク / 西洋中世史 / 西洋経済史 |
Outline of Research at the Start |
中世ヨーロッパを代表する商業勢力であったハンザ(ハンザ同盟)の商業活動に関する先行研究では,特定の都市・地域・商人を対象とした個別事例研究はあるが,ハンザの商業活動を総合的に分析した研究が欠けている。本研究では,バルト海沿岸のリューベックと北海沿岸のハンブルクというハンザを代表する商業都市を比較し,複数の類型史料を総合的に検討することで,14世紀のハンザ都市の貿易構造およびハンザ商人の具体的な活動実態を解明する。さらに,14世紀の中世ハンザ商業史を都市史と商人史という二つの観点から検討することで,ハンザ史,中世ヨーロッパ商業史に新たな歴史像を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中世ハンザ商業の実態を解明するために,最盛期といわれる14世紀のハンザ商業をリューベックとハンブルクという2つの都市,そして,都市と商人という2つの観点から比較検討することである。そのために,(1)都市商業史の観点からリューベックとハンブルクの関税台帳を比較分析すること,(2)商人史の観点からリューベック商人とハンブルク商人の帳簿を比較分析すること,を目標としている。 当初の計画では,上記(1)と(2)の作業に必要なハンブルクの関税台帳と商人の帳簿の刊行年が19世紀と古いため,翻刻されたテキストの正確性を検証する目的でハンブルク市立文書館に所蔵されている原本と刊本の校合を実施する予定であった。しかし,昨年度まではコロナの影響で,今年度は学部の役職者になった関係で現地を訪問する目途が立てられず,テキストの検証については最終的に断念することとした。 上記(1)と(2)の作業に必要な史料の表計算ソフトへのデータ入力は終了しており,昨年度からは特定の商品に研究を絞り,関連するデータのチェック作業を部分的に進めている。昨年度から今年度にかけては,中世ハンザ商業の代表的な商品のひとつであるビールに着目し,ヴィスマルで発行された関税領収書,リューベックで輸出入が記録された関税台帳,ハンブルクからの輸出が記録された関税台帳という3つの史料を分析することにより,ヴィスマル―リューベック―ハンブルクを経由したビール流通の流れを検証中であり,現在,論文として投稿する準備を進める一方,2024年に出版予定の共著書(『西洋中世を開く』(仮題))に研究成果の一部を利用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記したように,本来であれば利用する史料の刊本と原本の校合を実施するためにドイツの文書館で現地調査を実施する予定であったが,研究代表者の学内業務の関係で最終的に実施を断念した。ハンブルク市立文書館所蔵史料については,刊行史料を利用した研究に方針を転換する。 なお,本研究では,関税台帳の補足資料として,リューベック市立文書館に所蔵されている1368年春から1370年春までの2年間の関税領収書を利用しているが,昨年度,文書館で登録されていた年代に誤りがあることを発見した。関税領収書(1764件)の発行年代を再度,原本にあたって再確認する必要があることが判明し,その再確認作業を進めているが,現時点でまた終了していない。 また,研究成果の発表についても,投稿論文の作成に手間取っており,進捗状況が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については,関税領収書の発行年度の確認作業を原本の写真データを解読しながら進めていく。対象となる史料の件数が多いため,昨年度に引き続き,今年度もこの作業に時間を割きつつ,研究成果の発表についても進めていく予定である。昨年度に口頭報告したビール流通に関する研究は,論文として今年度中に投稿する予定である。また,当時の主要商品のひとつである蜜ロウについても,今年度中に報告(日本ハンザ史研究会)を予定しており,その報告内容を論文として発表する予定である。他にも毛織物,塩,ニシンといった特定の商品(いずれも当時のハンザ商業の主要商品)に研究を絞ることにより,研究の推進を効率的に進めていきたい。
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