Project/Area Number |
20K01811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
川分 圭子 京都府立大学, 文学部, 教授 (20259419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 真由美 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | イギリス / 近代史 / 現代史 / 砂糖貿易 / 砂糖生産 / カリブ / 砂糖生産技術 / 国際商品協定 / 自由貿易主義 / イギリス史 / 砂糖 / 貿易体制 / 経済史 |
Outline of Research at the Start |
現代の世界貿易体制は原則的に自由貿易であると考えられがちであるが、生産国保護や過剰生産の抑制、価格の安定といった観点から、生産量・輸出量が国際的な協定により抑制されている商品も多く存在する。その代表格が砂糖である。砂糖の場合、生産国の多くが旧植民地であり、低賃金や過剰生産がそうした植民地的過去に起因していると考えられていることが、現在いくつかの砂糖保護市場が存在しそれらが国際的に許容される原因となっている。砂糖自由市場についても、国際砂糖協定で輸出割当等の方法で生産国保護と価格安定が図られている。本研究では、現代の砂糖貿易体制に至るまでの歴史的経緯をたどり、過去が現代に残した課題を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、この科研課題と以前の科研課題を縦断する内容で、一般書出版の企画を進め、9月編著者として『エリア・スタディーズ197 カリブの旧イギリス領を知るための60章』明石書店を出版した。この書籍の出版のため、共同執筆者の全初校・2校・念校・図版などの編者校正を行い、また出版社編集者校正の確認を行い、このために全共同執筆者との連絡、共同編者との随時の連絡や対面での校正の確認、出版社との打ち合わせを繰り返し行い、章、部の構成の見直しなども行った。 次に2023年8月19-28日、トリニダード・トバゴおよびガイアナに在外研究を実施した。トリニダード・トバゴでは、西インド大学セント・オーガスティン校図書館の訪問調査を行った。また駐トリニダード・トバゴ大使を訪問、大使、大使館職員に対して同行の堀内真由美愛知教育大学准教授とともに講演を行った(講演題目「トリニダードの砂糖生産の盛衰と社会の変容―19世紀後半から現代」)。ガイアナでは、19世紀の砂糖プランテーション・工場で現在ガイスコに継承されている工場で現在稼働中のもの、また数年前に稼働を中止され宅地などに分譲されつつあるプランテーション・工場跡地を探査した。 国内でも、京都大学桂図書館、龍谷大学図書館、大阪公立大学杉本キャンパス情報センターで、19世紀末から20世紀にかけての砂糖生産技術に関する書籍、雑誌の調査を行った。これら文献調査については、大学の通常の教育・研究と重なる部分が多いため、旅費・資料コピー代金の多くは大学研究費で支出した。 以上2023年度はかなり活動できたが、コロナの時期に活動できなかったため基金に余剰があるため、研究期間を2024年度まで1年延長した。そこで2024年度第74回日本西洋史学会大会の個別報告を申し込み、受理され、現在その報告に向けて研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本社会ではカリブ地域というと、旧スペイン領のイメージが強く、旧イギリス領のカリブ、英語圏のカリブ、という視点からこの世界を見ることはほとんど行われてこなかった。それに対して、「カリブの旧イギリス領」という枠組みで、定評ある地域研究のシリーズから、書籍を出版することができたことは、研究成果の社会還元として重要な意味があった。 また、カリブの日本大使館において、研究分担者とともに報告を行い、大使館員とも交流を深めることで、日本西洋史学界におけるカリブ研究の現状を外交関係者に直接伝えることができた。また現代の日本とカリブ諸国の関係に考察を展開しつつ、歴史学研究を進めるための視座を得ることができた。同大使館では、他の日本人カリブ研究者とも交流を行い、帰国後も「日・カリブ交流年2024」の行事や取り組みの検討などで交流を続けている。 次に、歴史学としてさらに専門的な研究を進めるため、在外研究と国内調査を行い、次の研究報告に向けて準備を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年5月19日の日本西洋史学会大会において、「植民地の産業革命―イギリス領カリブにおける製糖技術革新と社会的影響」と題する自由論題報告を行う予定である。そのため、2023年度に収集した資料を現在読み進めている。この報告後は、報告の質疑から得られた示唆をもとに、研究をさらに進め、論文を執筆する。 2024年度はこの研究の延長期間であり、基金の残額は少なく、在外研究は行わないが、研究成果のまとめに入る必要があり、これまで4年間の報告や論文を見直し、報告のみで論文執筆に至らなかった研究を再考し、論文執筆、あるいは書籍の出版に向けて、準備を進める。
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