公正世界信念が公務員の政策認識に与える影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
20K01838
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Gifu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
水野 和佳奈 岐阜協立大学, 経済学部, 教授 (50458113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 公正世界信念 / 公務員の職務意欲 / PSM / 政策認識 / 人的資源管理 / 労働意欲 / 公務員 |
Outline of Research at the Start |
本研究は公務員の認知バイアスを対象としており,研究の目的は以下の2点に要約できる。第一に,公務員の労働意欲が政策認識に与える影響の解明である。第二に,公務員の公正世界信念が政策認識に与える影響の解明である。上記2つの研究は,公務員へのアンケート調査を行い,その結果を統計的に分析し検証する。本研究の成果は,政策の目的や特性に合った人事配置や研修のありかたを検討する上で有意義な情報を提供できると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、公務員の職務認識や政策認識のメカニズムを解明することである。最終的には、公正世界信念と公務員の政策認識の関係の解明を目指している。2021年度までの期間に公正世界信念およびPSM、政策認識に関する先行研究の調査およびモデルの検討を行った。2022年度はまず、職務における不正行為の認識に関する分析として、行政組織の職員を対象としたアンケート調査(2019年実施、データ数は約2000)のデータを用いて、公務員の公正世界信念と告発意欲に関するモデルを検証した。具体的には、職務における不正行為の告発意欲を被説明変数とし、PSMと公正世界信念を説明変数とした順序ロジットモデルによって検証した。分析の結果、PSMと告発の意欲には統計的に有意な正の相関が確かめられた。PSMが高い個人ほど告発の意欲が高いことが明らかになった。この結果は先行研究の結果とおおむね一致する(Prysmakova and Evans, 2022他)。本研究の分析により、PSMと告発に関する理論モデルが日本の公務員にも適用されることが確かめられ、理論モデルの頑健性を検証する点で意義があると考える。公務員の公正世界信念と告発の意欲の関係については、統計的に有意な負の相関が確かめられた。公正世界信念が高い個人ほど告発の意欲が低いことを示す結果である。これらの分析結果は論文にまとめ、「公務員の告発意欲 ― Public Service Motivation と公正世界信念は告発意欲と相関するか? ―」というタイトルで発表した。 2022年度後期は、前述と同じデータを用いて、公務員の政策認識と公正世界信念の関係を検証した。具体的には、タイプの異なる政策に対する認識や態度と公正世界信念の関係について実証分析を行った。この結果は、2023年度5月開催の2023年度日本行政学会で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は公務員の職務認識や政策認識のメカニズムの解明を主目的とし、最終的には、公正世界信念と公務員の政策認識の関係の解明を目指している。2022年度は、予備調査として実施したアンケート調査のデータを用いて公務員の公正世界信念と告発意欲に関するモデルの検証(実証分析)を行い、分析結果を論文として公表することができた。また、政策認識と公正世界信念の関係に関するモデルの検証(実証分析)を行い、一定の結果を得ることができた。さらに先行研究の追加調査を行い、研究の位置づけ等を明確にすることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の1年延長が承認されたため、2022年度の後期に実施した公務員の政策認識と公正世界信念の関係の実証分析の結果(タイプの異なる政策に対する認識や態度と公正世界信念の関係)を、2023年度5月に開催される2023年度日本行政学会にて報告予定である。行政組織の特性・分析に造詣が深い研究者との質疑を通じて、本研究の課題や改善の示唆を得、さらなる分析の精緻化につなげたい。また、政策認識に関する先行研究について、心理学や組織心理学等の文献を追加調査し、より現実に合った認識プロセスを検討し、分析モデルの発展につなげたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)